アプリケーション中で、異なるオブジェクト同士の関連を定義することは よくあることです。 例えば、記事は多くのコメントを持っていて著者に属しています。 著者は多くの記事とコメントを持っています。 CakePHP はこうしたアソシエーションの管理を 簡単にします。CakePHP には4つのアソシエーションがあります。 hasOne 、 hasMany 、 belongsTo 、そして belongsToMany です。
関係 |
アソシエーション種別 |
例 |
---|---|---|
1 対 1 |
hasOne |
ユーザーは1つのプロフィールを持っている。 |
1 対 多 |
hasMany |
ユーザーは複数の記事を持つことができる。 |
多 対 1 |
belongsTo |
多くの記事がユーザーに属している。 |
多 対 多 |
belongsToMany |
タグは多くの記事に属している。 |
アソシエーションはテーブルオブジェクトの initialize()
の中で定義されます。
アソシエーション種別に合ったメソッドでアプリケーション中のアソシエーションを
定義することができます。例えば、 ArticlesTable 中で belongsTo アソシエーションを
定義したいのであれば次にようにします。
namespace App\Model\Table;
use Cake\ORM\Table;
class ArticlesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsTo('Authors');
}
}
アソシエーションの設定の最も単純な形式では、関連付けたいテーブルのエイリアスを受け取ります。 既定ではアソシエーションの細目は CakePHP の規約に従います。 もしアソシエーションの扱われ方をカスタマイズしたい場合には、セッターで それを変更することができます。
class ArticlesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsTo('Authors', [
'className' => 'Publishing.Authors'
])
->setForeignKey('authorid')
->setProperty('person');
}
}
アソシエーションをカスタマイズするために配列も使用できます。
$this->belongsTo('Authors', [
'className' => 'Publishing.Authors',
'foreignKey' => 'authorid',
'propertyName' => 'person'
]);
しかし、配列は、流れるようなインターフェイスから得られるタイプヒントや自動補完を提供しません。
同一のテーブルを、異なるアソシエーションの種別を定義するために複数回使うこともできます。 例えば、承認されたコメントとまだ検閲されていないものを分けたい場合を考えてみましょう。
class ArticlesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasMany('Comments')
->setConditions(['approved' => true]);
$this->hasMany('UnapprovedComments', [
'className' => 'Comments'
])
->setConditions(['approved' => false])
->setProperty('unapproved_comments');
}
}
ご覧のとおり、 className
キーを指定することで、同一のテーブルの異なるアソシエーション
のために同一のテーブルを使うことができます。親子関係を作成するために
自己結合のテーブルを作成することもできます。
class CategoriesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasMany('SubCategories', [
'className' => 'Categories'
]);
$this->belongsTo('ParentCategories', [
'className' => 'Categories'
]);
}
}
アソシエーション種別で索引されたテーブル名のセットを含む配列を引数として受け取る
Table::addAssociations()
を一度呼ぶことで、まとめてアソシエーションを
設定することもできます。
class PostsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->addAssociations([
'belongsTo' => [
'Users' => ['className' => 'App\Model\Table\UsersTable']
],
'hasMany' => ['Comments'],
'belongsToMany' => ['Tags']
]);
}
}
各アソシエーション種別は、そのエイリアスがキーで、値がアソシエーション設定データになった 複数のアソシエーションを受け取ることができます。もし数値キーが使用された場合は 値がアソシエーションのエイリアスとして扱われます。
Users テーブルを Addresses テーブルが hasOne の関係になるように設定してみましょう。
まず、データベースのテーブルに正しくキーを付ける必要があります。 hasOne の関係を築くには、
一方のテーブルが他方のテーブルのレコードを参照する外部キーを持つ必要があります。
この場合では addresses テーブルが user_id
というフィールドを持ちます。
基本的なパターンは次の通りです。
hasOne: 相手側の モデルが外部キーを持ちます。
関係 |
スキーマ |
---|---|
Users hasOne Addresses |
addresses.user_id |
Doctors hasOne Mentors |
mentors.doctor_id |
注釈
CakePHP の規約に従うことは必須ではなく、アソシエーションの定義では任意の外部キーを 使用するように上書きすることできます。それでも規約に従うとコードの繰り返しを少なくし、 読みやすく、そしてメンテナンスしやすくすることができます。
UsersTable
と AddressesTable
クラスを作成したら、次のコードで
アソシエーションを作ることができます。
class UsersTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasOne('Addresses');
}
}
もしさらなる制御が必要であれば、セッターを使ってアソシエーションを定義することができます。 例えば、特定のレコードのみを含むようにアソシエーションを制限したい場合は次のようにします。
class UsersTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasOne('Addresses')
->setName('Addresses')
->setConditions(['Addresses.primary' => '1'])
->setDependent(true);
}
}
異なる Addresses を複数のアソシエーションに分割したい場合は、次のようにすることができます。
class UsersTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasOne('HomeAddress', [
'className' => 'Addresses'
])
->setProperty('home_address')
->setConditions(['HomeAddress.label' => 'Home'])
->setDependent(true);
$this->hasOne('WorkAddress', [
'className' => 'Addresses'
])
->setProperty('work_address')
->setConditions(['WorkAddress.label' => 'Work'])
->setDependent(true);
}
}
注釈
条件の中に label
のような同じカラムを持つ複数の hasOne アソシエーションがある場合は、
上記のようにカラム名の前にテーブルの別名を使用する必要があります。
hasOne アソシエーションの配列で可能なキーは以下の通りです。
className: 当該のモデルに関連付けられるモデルのクラス名。 'User hasOne Address' の関係を定義したい場合、 className キーは 'Addresses' になるはずです。
foreignKey: 相手側のテーブル上の外部キーの名前。これは複数の hasOne の関係を 定義する必要がある場合に特に便利です。このキーの既定値は当該のモデルの名前を アンダースコアーで区切り、単数形にして '_id' を末尾に付けたものです。 上の例では 'user_id' が既定になります。
bindingKey: foreignKey
での紐付けに使用される、当該のテーブルのカラム名。
指定されなかった場合、主キー(例えば Users
テーブルの id カラム)が使われます。
conditions: ['Addresses.primary' => true]
のような find()
互換の条件の配列です。
joinType: SQL クエリーで使われる結合の種別で、既定は LEFT です。 もし hasOne アソシエーションが常にあれば INNER を使うことができます。
dependent: dependent キーが true
に設定され、そしてエンティティーが削除された場合、
関連付けられたモデルのレコードも削除されます。この例では User を削除した時に
関連付けられた Address も削除されるようにしたければ true
にします。
cascadeCallbacks: これと dependent が true
の時には、カスケード削除は
コールバックが正しく呼ばれるように、エンティティーを読み出して削除します。
false
の時には、関連付けられたデータを削除するために deleteAll()
が使われ
コールバックは呼ばれません。
propertyName: 関連付けられたテーブルからソースのテーブルの結果にデータを埋める際の
プロパティー名。既定は、アソシエーションの名前をアンダースコアーで区切り、
単数形にしたもので、よって例では address
です。
strategy: クエリーで使うためのストラテジーを定義します。既定は 'join' です。 他の有効な値は 'select' で、これは代わりに別のクエリーを使用します。
finder: 関連付けられたレコードを読み込む時に使われるファインダーメソッドです。
このアソシエーションが定義された後は、 Users テーブルの検索操作で、もし Address のレコードが存在すればそれを含むことができます。
// コントローラーまたはテーブルのメソッドの中で
$query = $users->find('all')->contain(['Addresses']);
foreach ($query as $user) {
echo $user->address->street;
}
上記は次のような SQL を実行します。
SELECT * FROM users INNER JOIN addresses ON addresses.user_id = users.id;
ここまでで、 User テーブルから Address データにアクセスできるようになりました。 次は Address テーブルから関連する User データにアクセスできるように、 belongsTo アソシエーションを定義しましょう。belongsTo アソシエーションは hasOne や hasMany の自然な補完です。つまり、他の方向からの関連データを見ることができます。
データベースのテーブルに belongsTo の関係のためにキーを作る時には、 次の規約に従ってください。
belongsTo: 当該の モデルが外部キーを持ちます。
関係 |
スキーマ |
---|---|
Addresses belongsTo Users |
addresses.user_id |
Mentors belongsTo Doctors |
mentors.doctor_id |
ちなみに
あるテーブルが外部キーを持っている場合、それは他のテーブルに属しています。
次のようにして Addresses テーブルに belongsTo アソシエーションを定義することができます。
class AddressesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsTo('Users');
}
}
セッターを使って、より詳細な関係を定義することができます。
class AddressesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
// バージョン 3.4 より前は、 foreignKey() と joinType() を使用してください
$this->belongsTo('Users')
->setForeignKey('user_id')
->setJoinType('INNER');
}
}
belongsTo アソシエーションの配列で可能なキーは以下の通りです。
className: 当該のモデルに関連付けられるモデルのクラス名。 'Profile belongsTo User' の関係を定義したい場合、 className キーは 'Users' になるはずです。
foreignKey: 当該のテーブル上の外部キーの名前。これは同一のモデルに対して複数の
belongsTo 関係を定義する必要がある場合に特に便利です。このキーの既定値は
相手側のモデルの名前をアンダースコアーで区切り、単数形にして _id
を末尾に付けたものです。
bindingKey: foreignKey
での紐付けで使用される、相手側のテーブルのカラム名。
指定されなかった場合、主キー(例えば Users
テーブルの id カラム)が使われます。
conditions: ['Users.active' => true]
のような find() 互換の条件の配列、
または SQL 文字列です。
joinType: SQL クエリーで使われる結合の種別で、既定は LEFT であり、これは すべての状況で要求を満たすとは限らず、メインおよび関連付けられたモデル一式を返すか あるいは何も返さないようにしたい場合には INNER が便利です。
propertyName: 関連付けられたテーブルからソースのテーブルの結果にデータを埋める際の
プロパティー名。既定は、アソシエーションの名前をアンダースコアーで区切り、
単数形にしたもので、よって例では user
です。
strategy: クエリーで使うためのストラテジーを定義します。既定は 'join' です。 他の有効な値は 'select' で、これは代わりに別のクエリーを使用します。
finder: 関連付けられたレコードを読み込む時に使われるファインダーメソッドです。
このアソシエーションが定義された後は、 Addresses テーブルの検索操作で、もし User のレコードが存在すればそれを含むことができます。
// コントローラーまたはテーブルのメソッドの中で
$query = $addresses->find('all')->contain(['Users']);
foreach ($query as $address) {
echo $address->user->username;
}
上記は次のような SQL を実行します。
SELECT * FROM addresses LEFT JOIN users ON addresses.user_id = users.id;
hasMany アソシエーションの一例は "Article hasMany Comments" (記事が多くのコメントを持つ) です。このアソシエーションを定義することで、記事が読み出される時に そのコメントと一緒に記事を取得することができるようになります。
hasMany の関係のためにテーブルを作成する場合には、この規約に従ってください。
hasMany: 相手側の モデルが外部キーを持つ。
関係 |
スキーマ |
---|---|
Article hasMany Comment |
Comment.article_id |
Product hasMany Option |
Option.product_id |
Doctor hasMany Patient |
Patient.doctor_id |
Articles モデルの中で、 hasMany アソシエーションを次のように定義することができます。
class ArticlesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasMany('Comments');
}
}
セッターを使って、より詳細な関係を定義することができます。
class ArticlesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasMany('Comments')
->setForeignKey('article_id')
->setDependent(true);
}
}
時にはアソシエーションで複合キーを設定したいかもしれません。
// ArticlesTable::initialize() の呼び出しの中で
$this->hasMany('Reviews')
->setForeignKey([
'article_id',
'article_hash'
]);
上記の例の通りに、必要な複合キーを含む配列を setForeignKey()
に渡しました。
既定では、 bindingKey
は id
および hash
としてそれぞれ自動的に定義されますが、
既定とは異なる紐付けフィールドを指定する必要があれば、次のようにして setBindingKeys()
を手動で設定することができます。
// ArticlesTable::initialize() の呼び出しの中で
$this->hasMany('Reviews')
->setForeignKey([
'article_id',
'article_hash'
])
->setBindingKey([
'whatever_id',
'whatever_hash'
]);
foreignKey
の値が reviews テーブルを参照し bindingKey
の値が
articles テーブルを参照することに注意することは大切です。
hasMany アソシエーションの配列で可能なキーは以下の通りです。
className: 当該のモデルに関連付けられるモデルのクラス名。 'User hasMany Comment' の関係を定義したい場合、 className キーは 'Comments' になるはずです。
foreignKey: 相手側のテーブル上の外部キーの名前。これは複数の hasMany の関係を 定義する必要がある場合に特に便利です。このキーの既定値は当該のモデルの名前を アンダースコアーで区切り、単数形にして '_id' を末尾に付けたものです。
bindingKey: foreignKey
での紐付けに使用される、当該のテーブルのカラム名。
指定されなかった場合、主キー(例えば Articles
テーブルの id カラム)が使われます。
conditions: ['Comments.visible' => true]
のような find() 互換の条件の配列、
または SQL 文字列です。
sort: ['Comments.created' => 'ASC']
のような find() 互換の order 句の配列、
または SQL 文字列です。
dependent: dependent が true
に設定されている場合、再帰的なモデル削除が可能です。
この例では Article レコードを削除した時に Comment レコードが削除されます。
cascadeCallbacks: これと dependent が true
の時には、カスケード削除は
コールバックが正しく呼ばれるように、エンティティーを読み出して削除します。
false
の時には、関連付けられたデータを削除するために deleteAll()
が使われ
コールバックは呼ばれません。
propertyName: 関連付けられたテーブルからソースのテーブルの結果にデータを埋める際の
プロパティー名。既定は、アソシエーションの名前をアンダースコアーで区切り、
複数形にしたもので、よって例では comments
です。
strategy: クエリーで使うためのストラテジーを定義します。既定は 'select' です。
他の有効な値は 'subquery' で、これは IN
のリストを等価のサブクエリーに置き換えます。
saveStrategy: 'append' または 'replace' のいずれかです。デフォルトは 'append' です。
'append' の場合、当該のレコードがデータベース中のレコードに追加されます。 'replace' の場合、
関連付けられたレコードで当該のセットにないものは削除されます。もし外部キーが null
になれるカラムの場合、または dependent
が真の場合、レコードは親を持たなくなります。
finder: 関連付けられたレコードを読み込む時に使われるファインダーメソッドです。
このアソシエーションが定義された後は、 Articles テーブルの検索操作で、もし Comment のレコードが存在すればそれを含むことができます。
// コントローラーまたはテーブルのメソッドの中で
$query = $articles->find('all')->contain(['Comments']);
foreach ($query as $article) {
echo $article->comments[0]->text;
}
上記は次のような SQL を実行します。
SELECT * FROM articles;
SELECT * FROM comments WHERE article_id IN (1, 2, 3, 4, 5);
サブクエリーのストラテジーが使われた時は、次のような SQL が生成されます。
SELECT * FROM articles;
SELECT * FROM comments WHERE article_id IN (SELECT id FROM articles);
hasMany アソシエーションにおいて件数をキャッシュしたいかもしれません。 これは関連付けられたレコードの数をしばしば表示する必要があるものの、 それらを数えるためだけに全レコードを読み出したくはない時に便利です。 例えば、何らかの記事についてのコメント数は、記事の一覧をより効率に 生成できるようにするためにしばしばキャッシュされます。 関連付けられたレコードの数をキャッシュするには CounterCacheBehavior を使用することができます。
データベースには、アソシエーションのプロパティー名と一致するカラムを 持たせないようにすべきです。もし例えば、アソシエーションのプロパティー名と衝突する 件数フィールドを持っている場合、アソシエーションのプロパティー、またはカラム名の いずれかの名前を変更しなければなりません。
注釈
3.0 以降では、 hasAndBelongsToMany
/ HABTM
は、 belongsToMany
/ BTM
に
名前が変更されました。
belongsToMany アソシエーションの一例は "Article belongsToMany Tags" (記事が多くのタグに属する) で、一つの記事のタグがほかの記事によって共有される場合です。 belongsToMany はしばしば "has and belongs to many" (多くを持ち、多くに属する) とも呼ばれ、これは多対多アソシエーションの典型です。
hasMany と belongsToMany の主な違いは belonsToMany アソシエーションでのモデル間の紐付けが 排他的ではないことです。例えば、 Articles テーブルに Tags テーブルを結合するとします。 '笑える' を Article の Tag にすることは、そのタグを使い果たしません。 次に書く記事にもそれを使うことができます。
belongsToMany アソシエーションでは三つのデータベーステーブルが必要です。
上記の例では、 articles
、 tags
および articles_tags
が必要です。
articles_tags
テーブルは tags と articles を紐付けるデータを一緒に持っています。
結合テーブルは、関連する二つのテーブルの名前に基づいており、規約によってアンダースコアーで
区切られています。その最も単純な形式では、このテーブルは article_id
と tag_id
で構成されます。
belongsToMany は両方の モデル の名前を持つ別のテーブルが必要です。
関係 |
結合テーブルのフィールド |
---|---|
Article belongsToMany Tag |
articles_tags.id, articles_tags.tag_id, articles_tags.article_id |
Patient belongsToMany Doctor |
doctors_patients.id, doctors_patients.doctor_id, doctors_patients.patient_id. |
次のようにして 両方のモデルの中で belongsTo アソシエーションを定義することができます。
// src/Model/Table/ArticlesTable.php の中で
class ArticlesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsToMany('Tags');
}
}
// src/Model/Table/TagsTable.php の中で
class TagsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsToMany('Articles');
}
}
設定を使って、より詳細な関係を定義することができます。
// src/Model/Table/TagsTable.php の中で
class TagsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsToMany('Articles', [
'joinTable' => 'articles_tags',
]);
}
}
belongsToMany アソシエーションの配列で可能なキーは以下の通りです。
className: 当該のモデルに関連付けられるモデルのクラス名。 'Article belongsToMany Tag' の関係を定義したい場合、 className キーは 'Tags' になるはずです。
joinTable: このアソシエーションで使われる結合テーブルの名前 (当該のテーブルが belongsToMany 結合テーブルの命名規約に準拠していない場合)。 既定では、結合テーブル用の Table インスタンスを読み出すためにこの名前が使われます。
foreignKey: 結合テーブル上の当該のモデルを参照する外部キーの名前、または複合外部キーの場合はリスト。 これは複数の belongsToMany の関係を定義する必要がある場合に特に便利です。 このキーの既定値は当該のモデルの名前をアンダースコアーで区切り、単数形にして '_id' を末尾に付けたものです。
bindingKey: foreignKey
での紐付けに使用される、当該のテーブルのカラム名。
既定ではその主キーです。
targetForeignKey: 結合モデル上の対象モデルを参照する外部キーの名前、 または複合外部キーの場合はリスト。 このキーの既定値は当該のモデルの名前をアンダースコアーで区切り、単数形にして '_id' を末尾に付けたものです。
conditions: find()
互換の条件の配列、または SQL 文字列です。
関連付けられたテーブル上に条件を持つには、 'through' モデルを使用し、
それに必要な belongsTo アソシエーションを定義してください。
sort: find() 互換の order 句の配列。
dependent: dependent キーが false
に設定され、そしてエンティティーが削除された場合、
結合テーブルのデータは削除されません。
through: 結合テーブルで使用する Table インスタンスのエイリアス、またはインスタンス自体の いずれかを指定できます。これにより、結合テーブルのキーのカスタマイズが可能になり、 そして結合テーブルの動作をカスタマイズすることができます。
cascadeCallbacks: これが true
の時には、カスケード削除は結合テーブル上の
コールバックが正しく呼ばれるように、エンティティーを読み出して削除します。
false
の時には、関連付けられたデータを削除するために deleteAll()
が使われ
コールバックは呼ばれません。これはオーバーヘッドの削減を助けるために
既定では false
になります。
propertyName: 関連付けられたテーブルからソースのテーブルの結果にデータを埋める際の
プロパティー名。既定は、アソシエーションの名前をアンダースコアーで区切り、
複数形にしたもので、よって例では tags
です。
strategy: クエリーで使うためのストラテジーを定義します。既定は 'select' です。
他の有効な値は 'subquery' で、これは IN
のリストを等価のサブクエリーに置き換えます。
saveStrategy: 'append' または 'replace' のいずれかです。 既定は 'replace' です。 関連するエンティティーの保存に使用するモードを示します。前者はリレーションの両側の間に 新しい紐付けを作成するだけで、後者は保存する時に渡されたエンティティーの間に 紐付けを作成するために消去と置換を行います。
finder: 関連付けられたレコードを読み込む時に使われるファインダーメソッドです。
このアソシエーションが定義された後は、 Articles テーブルの検索操作で、もし Tag のレコードが存在すればそれを含むことができます。
// コントローラーまたはテーブルのメソッドの中で
$query = $articles->find('all')->contain(['Tags']);
foreach ($query as $article) {
echo $article->tags[0]->text;
}
上記は次のような SQL を実行します。
SELECT * FROM articles;
SELECT * FROM tags
INNER JOIN articles_tags ON (
tags.id = article_tags.tag_id
AND article_id IN (1, 2, 3, 4, 5)
);
サブクエリーのストラテジーが使われた時は、次のような SQL が生成されます。
SELECT * FROM articles;
SELECT * FROM tags
INNER JOIN articles_tags ON (
tags.id = article_tags.tag_id
AND article_id IN (SELECT id FROM articles)
);
もし結合テーブルに追加の情報を持たせようとしている場合、あるいはもし規約から外れる
結合カラムを使用する必要がある場合、 through
オプションを定義する必要があります。
through
オプションは belongsToMany アソシエーションがどのように作られるかを
完全に制御できるようにします。
時には多対多アソシエーションで追加のデータを保存するのが望ましいことがあります。 以下を考えてみてください。
Student BelongsToMany Course
Course BelongsToMany Student
Student は多くの Courses を取っていて、 Course は多くの Student に取られています。 これは単純な多対多のアソシエーションです。次のようなテーブルがあれば事足ります。
id | student_id | course_id
では、生徒が授業に出席した日数や成績を保存したい場合はどうでしょう? 欲しいテーブルは次のようになります。
id | student_id | course_id | days_attended | grade
この要件を実装する方法は モデルの結合 、もしくは hasMany through アソシエーション を使うことです。これは、このアソシエーション自身がモデルになります。つまり、新しい CoursesMemberships モデルを作ればよいのです。以下のモデルを見てください。
class StudentsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsToMany('Courses', [
'through' => 'CoursesMemberships',
]);
}
}
class CoursesTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsToMany('Students', [
'through' => 'CoursesMemberships',
]);
}
}
class CoursesMembershipsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->belongsTo('Students');
$this->belongsTo('Courses');
}
}
CoursesMemberships 結合テーブルは、追加のメタ情報に加えて、与えられた Student が Course に参加しているかどうかを一意に識別します。
finder
オプションは、関連付けられたレコードのデータを読み出すために
カスタムファインダー を使えるようにします。
これはクエリーをよりカプセル化し、コードをより DRY にします。
join (belongsTo/hasOne) を使って読み出されるアソシエーションのデータを読み出すために
ファインダーを使う場合、いくつかの制限があります。クエリーの次の部分だけが
ルートクエリーに適用されます。
WHERE 条件
追加の join
contain されたアソシエーション
他のクエリーの部分、例えば select されるカラム、 order 、 group by 、 having そして、その他のサブステートメントについては、ルートクエリーには適用されません。 join によって 読み出されない アソシエーション (hasMany/belongsToMany) には、 上記の制約は持たず、結果のフォーマッターや map/reduce 機能を使うこともできます。
アソシエーションを定義したら、結果を取得する時に アソシエーションのイーガーロード ができるようになります。