Bake は、アプリケーションやプラグインが基本機能に対して変更または追加を可能にする 拡張可能なアーキテクチャーを備えています。Bake は、 Twig テンプレートエンジンを使用したビュークラスを利用します。
BakeView
は、ビュークラスとして、他のビュークラスと同様のイベントに加え、
1つの特別な初期化 (initialize) イベントを発します。しかし、一方で標準ビュークラスは、
イベントのプレフィックス "View." を使用しますが、 BakeView
は、
イベントのプレフィックス "Bake." を使用しています。
初期化イベントは、すべての bake の出力に対して変更を加えるために使用できます。 例えば、bake ビュークラスに他のヘルパーを追加するためにこのイベントは使用されます。
<?php
// config/bootstrap_cli.php
use Cake\Event\Event;
use Cake\Event\EventManager;
EventManager::instance()->on('Bake.initialize', function (Event $event) {
$view = $event->getSubject();
// bake テンプレートの中で MySpecial ヘルパーの使用を可能にします
$view->loadHelper('MySpecial', ['some' => 'config']);
// そして、$author 変数を利用可能にするために追加
$view->set('author', 'Andy');
});
別のプラグインの中から bake を変更したい場合は、プラグインの config/bootstrap.php
ファイルでプラグインの Bake イベントを置くことは良いアイデアです。
Bake イベントは、既存のテンプレートに小さな変更を行うための便利なことができます。
例えば、コントローラーやテンプレートファイルを bake する際に使用される変数名を
変更するために、bake テンプレートで使用される変数を変更するために
Bake.beforeRender
で呼び出される関数を使用することができます。
<?php
// config/bootstrap_cli.php
use Cake\Event\Event;
use Cake\Event\EventManager;
EventManager::instance()->on('Bake.beforeRender', function (Event $event) {
$view = $event->getSubject();
// indexes の中のメインデータ変数に $rows を使用
if ($view->get('pluralName')) {
$view->set('pluralName', 'rows');
}
if ($view->get('pluralVar')) {
$view->set('pluralVar', 'rows');
}
// view と edit の中のメインデータ変数に $theOne を使用
if ($view->get('singularName')) {
$view->set('singularName', 'theOne');
}
if ($view->get('singularVar')) {
$view->set('singularVar', 'theOne');
}
});
特定の生成されたファイルへの Bake.beforeRender
と Bake.afterRender
イベントを指定することもあるでしょう。例えば、
Controller/controller.twig ファイルから生成する際、 UsersController
に特定のアクションを追加したい場合、以下のイベントを使用することができます。
<?php
// config/bootstrap_cli.php
use Cake\Event\Event;
use Cake\Event\EventManager;
use Cake\Utility\Hash;
EventManager::instance()->on(
'Bake.beforeRender.Controller.controller',
function (Event $event) {
$view = $event->getSubject();
if ($view->viewVars['name'] == 'Users') {
// Users コントローラーに login と logout を追加
$view->viewVars['actions'] = [
'login',
'logout',
'index',
'view',
'add',
'edit',
'delete'
];
}
}
);
特定の bake テンプレートのためのイベントリスナーを指定することによって、 bake 関連のイベント・ロジックを簡素化し、テストするのが容易であるコールバックを 提供することができます。
Bake テンプレートファイルは、 Twig テンプレート構文を使用します。
bake テンプレートがどのように動作するかを確認/理解する一つの方法は、 bake テンプレートファイルを変更しようとする場合は特に、クラスを bake して、 アプリケーションの tmp/bake フォルダー内に残っている前処理されたテンプレートファイルを 使ったテンプレートと比較することです。
だから、例えば、以下のようにシェルを bake した場合:
bin/cake bake shell Foo
(vendor/cakephp/bake/src/Template/Bake/Shell/shell.twig) を使用した テンプレートは、以下のようになります。
<?php
namespace {{ namespace }}\Shell;
use Cake\Console\Shell;
/**
* {{ name }} shell command.
*/
class {{ name }}Shell extends Shell
{
/**
* main() method.
*
* @return bool|int Success or error code.
*/
public function main()
{
}
}
そして、 bake で得られたクラス (src/Shell/FooShell.php) は、 このようになります。
<?php
namespace App\Shell;
use Cake\Console\Shell;
/**
* Foo shell command.
*/
class FooShell extends Shell
{
/**
* main() method.
*
* @return bool|int Success or error code.
*/
public function main()
{
}
}
注釈
バージョン 1.5.0 より前の bake は、 .ctp テンプレートファイルでカスタム erb スタイルのタグを 使用していました。
<%
Bake テンプレートの PHP 開始タグ
%>
Bake テンプレートの PHP 終了タグ
<%=
Bake テンプレートの PHP ショートエコータグ
<%-
Bake テンプレートの PHP 開始タグ、タグの前に、先頭の空白を除去
-%>
Bake テンプレートの PHP 終了タグ、タグの後に末尾の空白を除去
"bake" コマンドによって生成された出力を変更したい場合、bake が使用するテンプレートの 一部または全部を置き換えることができる、独自の bake の「テーマ」を作成することができます。 これを行うための最善の方法は、次のとおりです。
新しいプラグインを bake します。プラグインの名前は bake の「テーマ」名になります。
新しいディレクトリー plugins/[name]/src/Template/Bake/Template/ を作成します。
vendor/cakephp/bake/src/Template/Bake/Template から上書きしたい テンプレートをあなたのプラグインの中の適切なファイルにコピーしてください。
bake を実行するときに、必要であれば、 bake のテーマを指定するための --theme
オプションを使用してください。各呼び出しでこのオプションを指定しなくても済むように、
カスタムテーマをデフォルトテーマとして使用するように設定することもできます。
<?php
// config/bootstrap.php または config/bootstrap_cli.php の中で
Configure::write('Bake.theme', 'MyTheme');
"bake" コマンドによって生成されるデフォルトの出力を変更したい場合、アプリケーションで独自の
bake テンプレートを作成することができます。この方法では、bake する際、コマンドラインで
--theme
オプションを使用していません。これを行うための最善の方法は、次のとおりです。
新しいディレクトリー /src/Template/Bake/ を作成します。
vendor/cakephp/bake/src/Template/Bake/ から上書きしたいテンプレートを あなたのアプリケーションの中の適切なファイルにコピーします。
あなたのアプリケーションやプラグインでタスクを作成することによって、新しい bake コマンドの
オプションを追加したり、CakePHP が提供するオプションを上書きすることが可能です。
Bake\Shell\Task\BakeTask
を継承することで、bake は、あなたの新しいタスクを見つけて
bake の一部としてそれを含めます。
例として、任意の foo クラスを作成するタスクを作ります。
まず、 src/Shell/Task/FooTask.php タスクファイルを作成します。
私たちのシェルタスクが単純になるように、 SimpleBakeTask
を継承します。
SimpleBakeTask
は抽象クラスで、どのタスクが呼ばれるか、どこにファイルを生成するか、
どのテンプレートを使用するかを bake に伝える3つのメソッドを定義することが必要です。
FooTask.php ファイルは次のようになります。
<?php
namespace App\Shell\Task;
use Bake\Shell\Task\SimpleBakeTask;
class FooTask extends SimpleBakeTask
{
public $pathFragment = 'Foo/';
public function name()
{
return 'foo';
}
public function fileName($name)
{
return $name . 'Foo.php';
}
public function template()
{
return 'foo';
}
}
このファイルが作成されたら、コードを生成する際に bake 使用することができるテンプレートを 作成する必要があります。 src/Template/Bake/foo.twig を作成してください。 このファイルに、以下の内容を追加します。
<?php
namespace {{ namespace }}\Foo;
/**
* {{ name }} foo
*/
class {{ name }}Foo
{
// コードを追加。
}
これで、bin/cake bake
の出力に新しいタスクが表示されるはずです。
bin/cake bake foo Example
を実行して、新しいタスクを実行することができます。
これは、使用するアプリケーションの src/Foo/ExampleFoo.php で
新しい ExampleFoo
クラスを生成します。
また、 ExampleFoo
クラスのテストファイルを作成するために bake
を呼びたい場合は、
カスタムコマンド名のクラスサフィックスと名前空間を登録するために FooTask
クラスの
bakeTest()
メソッドをオーバーライドする必要があります。
public function bakeTest($className)
{
if (!isset($this->Test->classSuffixes[$this->name()])) {
$this->Test->classSuffixes[$this->name()] = 'Foo';
}
$name = ucfirst($this->name());
if (!isset($this->Test->classTypes[$name])) {
$this->Test->classTypes[$name] = 'Foo';
}
return parent::bakeTest($className);
}
class suffix は bake
呼び出しで与えられた名前に追加します。前の例では、
ExampleFooTest.php
ファイルを作成します。
class type は、(あなたが bake するアプリやプラグインに関連する)
あなたのファイルを導くために使用されるサブ名前空間です。
前の例では、名前空間 App\Test\TestCase\Foo
でテストを作成します。