Phinx は、データベースを変換するためにマイグレーションに依存しています。 各マイグレーションは、一意のファイル内の PHP クラスによって表されます。 Phinx の PHP API を使用してマイグレーションを記述することをお勧めしますが、 生の SQL もサポートされています。
新しい Phinx マイグレーションを作成することから始めましょう。
create
コマンドを使って Phinx を実行してください。
$ php vendor/bin/phinx create MyNewMigration
これにより、 YYYYMMDDHHMMSS_my_new_migration.php
という形式で
新しいマイグレーションが作成されます。最初の14文字は現在のタイムスタンプで置き換えられます。
複数のマイグレーションのパスを指定した場合は、新しいマイグレーションを作成するパスを 選択するよう求められます。
Phinx は、単一の方法でスケルトンのマイグレーションファイルを自動的に作成します。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Change Method.
*
* Write your reversible migrations using this method.
*
* More information on writing migrations is available here:
* http://docs.phinx.org/en/latest/migrations.html#the-abstractmigration-class
*
* The following commands can be used in this method and Phinx will
* automatically reverse them when rolling back:
*
* createTable
* renameTable
* addColumn
* renameColumn
* addIndex
* addForeignKey
*
* Remember to call "create()" or "update()" and NOT "save()" when working
* with the Table class.
*/
public function change()
{
}
}
全ての Phinx マイグレーションは、 AbstractMigration
クラスを継承します。
このクラスは、データベースのマイグレーションを作成するために必要なサポートを提供します。
データベースのマイグレーションでは、新しいテーブルの作成、行の挿入、インデックスの追加、
カラムの変更など、さまざまな方法でデータベースを更新できます。
Phinx 0.2.0 は、可逆マイグレーションと呼ばれる新機能を導入しました。
この機能がデフォルトのマイグレーション方法になりました。
可逆マイグレーションでは、 change
のロジックを定義するだけでよく、
Phinx は自動的にマイグレーションする方法を理解することができます。
例:
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class CreateUserLoginsTable extends AbstractMigration
{
/**
* Change Method.
*
* More information on this method is available here:
* http://docs.phinx.org/en/latest/migrations.html#the-change-method
*
* Uncomment this method if you would like to use it.
*/
public function change()
{
// テーブルの作成
$table = $this->table('user_logins');
$table->addColumn('user_id', 'integer')
->addColumn('created', 'datetime')
->create();
}
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
このマイグレーションを実行すると、Phinx は up すると user_logins
テーブルを作成し、
down するとテーブルを削除する方法を自動的に見つけ出します。 change
メソッドが存在する場合、
Phinx は自動的に up
メソッドと down
メソッドを無視することに注意してください。
これらのメソッドを使う必要がある場合、別のマイグレーションファイルを作成することをお勧めします。
注釈
change()
メソッドの中でテーブルを作成または更新する場合は、Table の create()
と update()
メソッドを使用する必要があります。Phinx は、 save()
の呼び出しが
新しいテーブルを作成しているのか、既存のテーブルを変更しているのかを自動的に判断することはできません。
Phinx は、次のコマンドでのみ、逆にすることができます。
createTable
renameTable
addColumn
renameColumn
addIndex
addForeignKey
コマンドを元に戻せない場合、Phinx はマイグレーション中に IrreversibleMigrationException
例外をスローします。
up メソッドは、マイグレーション中に Phinx によって自動的に実行され、 指定されたマイグレーションが以前に実行されていないことを検出します。 データベースを目的の変更に変換するには、up メソッドを使用する必要があります。
down メソッドは、マイグレーション中に Phinx によって自動的に実行され、 指定されたマイグレーションが過去に実行されたことを検出します。 up メソッドで記述された変換を元に戻すには、down メソッドを使用する必要があります。
クエリーは、 execute()
と query()
メソッドで実行できます。
execute()
メソッドは影響を受ける行の数を返しますが、 query()
メソッドは結果を
PDOStatement
として返します。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
// execute()
$count = $this->execute('DELETE FROM users'); // 影響を受ける行の数を返します
// query()
$stmt = $this->query('SELECT * FROM users'); // PDOStatement を返します
$rows = $stmt->fetchAll(); // 配列として結果を返します
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
注釈
これらのコマンドは、PHP のデータベースにアクセスするための軽量で一貫した
インターフェースを定義する PHP Data Objects(PDO)拡張を使用して実行されます。
execute()
コマンドを使う前に、必ずクエリーが PDO に従っていることを確認してください。
これは、DELIMITER をサポートしていないストアードプロシージャーまたはトリガーの挿入時に
DELIMITER を使用する場合に特に重要です。
警告
クエリーのバッチで execute()
や query()
を使用すると、
PDO はバッチに1つ以上のクエリーに問題があったとしても、例外をスローしません。
したがって、バッチ全体が問題なく通過したものとみなされます。
Phinx が潜在的な結果セットを反復して、1つのエラーがあることを発見した場合、
以前の結果セットを得る機能が PDO にはないため、Phinx はすべての結果へのアクセスを拒否します。
(previousSet()
ではなく
nextRowset()) 。
その結果、バッチ処理されたクエリーの例外を投げないようにする PDO の設計上の決定により、 Phinx はクエリーのバッチが提供されたときにエラー処理を最大限にサポートすることができません。
幸いにも、PDO のすべての機能が利用可能であるため、 nextRowset() を呼び出して errorInfo を調べることで、複数のバッチをマイグレーション中に制御することができます。
行を取得するには2つのメソッドがあります。 fetchRow()
メソッドは単一の行を取得し、
fetchAll()
メソッドは複数の行を返します。どちらのメソッドも、唯一のパラメーターとして
生の SQL を受け取ります。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
// ユーザーを1件取得
$row = $this->fetchRow('SELECT * FROM users');
// メッセージの配列を取得
$rows = $this->fetchAll('SELECT * FROM messages');
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
Phinx ではテーブルにデータを簡単に挿入できます。この機能は シード機能 を対象としていますが、マイグレーションでも insert メソッドを自由に使うこともできます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class NewStatus extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
// 1行のみ追加
$singleRow = [
'id' => 1,
'name' => 'In Progress'
];
$table = $this->table('status');
$table->insert($singleRow);
$table->saveData();
// 複数行の追加
$rows = [
[
'id' => 2,
'name' => 'Stopped'
],
[
'id' => 3,
'name' => 'Queued'
]
];
// これは便利なショートカットです
$this->insert('status', $rows);
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
$this->execute('DELETE FROM status');
}
}
注釈
insert メソッドは、 change()
メソッドの中で使うことはできません。
up()
と down()
メソッドを使用してください。
Table オブジェクトは、 Phinx が提供する最も便利な API の一つです。
これにより、PHP コードを使用して簡単にデータベーステーブルを操作できます。
データベースのマイグレーションの中から table()
メソッドを呼び出すことによって、
Table オブジェクトのインスタンスを取得することができます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('tableName');
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
次に、Table オブジェクトによって提供されるメソッドを使用して、このテーブルを操作できます。
Table オブジェクトを操作する場合、Phinx は特定の操作を保留中の変更キャッシュに保存します。
疑わしいときは、このメソッドを呼び出すことをお勧めします。 これは、データベースに対する保留中の変更をコミットします。
テーブルの作成は、Table オブジェクトを使用するととても簡単です。 ユーザーのコレクションを格納するテーブルを作成しましょう。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$users = $this->table('users');
$users->addColumn('username', 'string', ['limit' => 20])
->addColumn('password', 'string', ['limit' => 40])
->addColumn('password_salt', 'string', ['limit' => 40])
->addColumn('email', 'string', ['limit' => 100])
->addColumn('first_name', 'string', ['limit' => 30])
->addColumn('last_name', 'string', ['limit' => 30])
->addColumn('created', 'datetime')
->addColumn('updated', 'datetime', ['null' => true])
->addIndex(['username', 'email'], ['unique' => true])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
カラムは addColumn()
メソッドを使って追加されます。 addIndex()
メソッドを使用して、
username と email カラムの両方に一意なインデックスを作成します。
最後に save()
を呼び出すと、データベースへの変更がコミットされます。
注釈
Phinx は、すべてのテーブルに対して id
という名前のオートインクリメントの主キーを
自動的に作成します。
id
オプションは自動的に作成された識別フィールドの名前を設定し、
primary_key
オプションは主キーに使われるフィールドを選択します。
id
は、 false に設定されていない限り、 primary_key
オプションを上書きします。
主キーが必要ない場合は、 primary_key
を指定せずに id
を false に設定してください。
主キーは作成されません。
別の主キーを指定するには、Table オブジェクトにアクセスする際に primary_key
オプションを指定します。自動的な id
カラムを無効にし、
代わりに2つのカラムを使って主キーを作成しましょう。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('followers', ['id' => false, 'primary_key' => ['user_id', 'follower_id']]);
$table->addColumn('user_id', 'integer')
->addColumn('follower_id', 'integer')
->addColumn('created', 'datetime')
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
1つの primary_key
を設定しても、 AUTO_INCREMENT
オプションは有効になりません。
単純に主キーの名前を変更するには、デフォルトの id
フィールド名を上書きする必要があります。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('followers', ['id' => 'user_id']);
$table->addColumn('follower_id', 'integer')
->addColumn('created', 'timestamp', ['default' => 'CURRENT_TIMESTAMP'])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
さらに、MySQL アダプターは次のオプションをサポートしています。
オプション |
説明 |
---|---|
comment |
テーブルにテキストコメントを設定 |
engine |
テーブルエンジンの定義 (デフォルトは `InnoDB`) |
collation |
テーブル照合順序の定義 (デフォルトは `utf8_general_ci`) |
signed |
主キーが |
デフォルトでは、主キーは 符号付き
です。
単純に unsigned に設定するには signed
オプションに false
の値を渡します。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('followers', ['signed' => false]);
$table->addColumn('follower_id', 'integer')
->addColumn('created', 'timestamp', ['default' => 'CURRENT_TIMESTAMP'])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
カラム型は文字列として指定され、次のいずれかになります。
biginteger
binary
boolean
date
datetime
decimal
float
integer
string
text
time
timestamp
uuid
さらに、MySQL アダプターは、 enum
、 set
、 blob
、 json
カラム型をサポートしています。 (json
は MySQL 5.7 以降)
さらに、Postgres アダプターは、 smallint
、 json
、 jsonb
、 uuid
、
cidr
、 inet
、 macaddr
カラム型をサポートしています。(PostgreSQL 9.3 以降)
有効なオプションについては、以下の 有効なカラムのオプション を参照してください。
hasTable()
メソッドを使うことによって、テーブルが存在するかどうかを判断することができます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$exists = $this->hasTable('users');
if ($exists) {
// 何かします
}
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
Table は dropTable()
メソッドを使って非常に簡単に削除することができます。
テーブルを down()
メソッドで再作成することは良い考えです。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$this->dropTable('users');
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
$users = $this->table('users');
$users->addColumn('username', 'string', ['limit' => 20])
->addColumn('password', 'string', ['limit' => 40])
->addColumn('password_salt', 'string', ['limit' => 40])
->addColumn('email', 'string', ['limit' => 100])
->addColumn('first_name', 'string', ['limit' => 30])
->addColumn('last_name', 'string', ['limit' => 30])
->addColumn('created', 'datetime')
->addColumn('updated', 'datetime', ['null' => true])
->addIndex(['username', 'email'], ['unique' => true])
->save();
}
}
テーブルの名前を変更するには、Table オブジェクトのインスタンスにアクセスし、
rename()
メソッドを呼び出します。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('users');
$table->rename('legacy_users')
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
$table = $this->table('legacy_users');
$table->rename('users')
->save();
}
}
カラムの型は文字列として指定され、次のいずれかになります。
biginteger
binary
boolean
char
date
datetime
decimal
float
integer
string
text
time
timestamp
uuid
さらに、MySQL アダプターは、 enum
、 set
、 blob
、 json
カラム型をサポートしています。 (json
は MySQL 5.7 以降)
さらに、Postgres アダプターは、 smallint
、 json
、 jsonb
、 uuid
、
cidr
、 inet
、 macaddr
カラム型をサポートしています。(PostgreSQL 9.3 以降)
有効なカラムのオプションは次のとおりです。
全てのカラム型:
オプション |
説明 |
---|---|
limit |
文字列の最大長を設定します。また、アダプターのカラムの種類を示します(下記の注を参照) |
length |
|
default |
デフォルトの値やアクションを設定 |
null |
|
after |
新しいカラムの前に配置するカラムを指定 |
comment |
カラムのテキストコメントを設定 |
decimal
カラム:
オプション |
説明 |
---|---|
precision |
|
scale |
|
signed |
|
enum
と set
カラム:
オプション |
説明 |
---|---|
values |
カンマ区切りリストまたは値の配列 |
integer
と biginteger
カラム:
オプション |
説明 |
---|---|
identity |
自動インクリメントを有効または無効にする |
signed |
|
timestamp
カラム:
オプション |
説明 |
---|---|
default |
デフォルト値を設定 ( |
update |
行が更新されたときにトリガーされるアクションを設定 ( |
timezone |
|
addTimestamps()
を使うことで、テーブルに created_at
と updated_at
タイムスタンプを追加できます。このメソッドでは、代わりの名を指定することもできます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Change.
*/
public function change()
{
// 'updated_at' カラム名を 'amended_at' で上書きします
$table = $this->table('users')->addTimestamps(null, 'amended_at')->create();
}
}
boolean
カラム:
オプション |
説明 |
---|---|
signed |
|
string
と text
カラム:
オプション |
説明 |
---|---|
collation |
テーブルのデフォルトとは異なる照合順序を設定 (MySQL のみ適用) |
encoding |
テーブルのデフォルトとは異なる文字セットを設定 (MySQL のみ適用) |
外部キーの定義:
オプション |
説明 |
---|---|
update |
行が更新されたときにトリガーされるアクションを設定 |
delete |
行が削除されたときにトリガーされるアクションを設定 |
オプションの第3引数配列を使用して、これらのオプションの1つ以上を任意のカラムに渡すことができます。
PostgreSQL アダプターを使用する場合、 integer
カラムに対してデータベースのカラム型のヒントを
追加することができます。次のいずれかのオプションで limit
を使うと、
それに応じてカラムの型が変更されます。
Limit |
カラム型 |
---|---|
INT_SMALL |
SMALLINT |
use Phinx\Db\Adapter\PostgresAdapter;
//...
$table = $this->table('cart_items');
$table->addColumn('user_id', 'integer')
->addColumn('subtype_id', 'integer', ['limit' => PostgresAdapter::INT_SMALL])
->create();
MySQL アダプターを使用する場合、 integer
、 text
、および blob
カラムに対して、
データベースのカラム型のヒントを追加することができます。次のいずれかのオプションで limit
を使うと、
それに応じてカラムの型が変更されます。
Limit |
カラム型 |
---|---|
BLOB_TINY |
TINYBLOB |
BLOB_REGULAR |
BLOB |
BLOB_MEDIUM |
MEDIUMBLOB |
BLOB_LONG |
LONGBLOB |
TEXT_TINY |
TINYTEXT |
TEXT_REGULAR |
TEXT |
TEXT_MEDIUM |
MEDIUMTEXT |
TEXT_LONG |
LONGTEXT |
INT_TINY |
TINYINT |
INT_SMALL |
SMALLINT |
INT_MEDIUM |
MEDIUMINT |
INT_REGULAR |
INT |
INT_BIG |
BIGINT |
use Phinx\Db\Adapter\MysqlAdapter;
//...
$table = $this->table('cart_items');
$table->addColumn('user_id', 'integer')
->addColumn('product_id', 'integer', ['limit' => MysqlAdapter::INT_BIG])
->addColumn('subtype_id', 'integer', ['limit' => MysqlAdapter::INT_SMALL])
->addColumn('quantity', 'integer', ['limit' => MysqlAdapter::INT_TINY])
->create();
すべてのテーブルのカラムを取得するには、 table オブジェクトを作成し、 getColumns() メソッドを呼び出します。 このメソッドは、基本情報を持つ Column クラスの配列を返します。 例:
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class ColumnListMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$columns = $this->table('users')->getColumns();
...
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
...
}
}
hasColumn()
メソッドを使ってテーブルに特定のカラムがすでにあるかどうかを調べることができます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Change Method.
*/
public function change()
{
$table = $this->table('user');
$column = $table->hasColumn('username');
if ($column) {
// 何かします
}
}
}
カラムの名前を変更するには、Table オブジェクトのインスタンスにアクセスし、
renameColumn()
メソッドを呼び出します。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('users');
$table->renameColumn('bio', 'biography')
->update();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
$table = $this->table('users');
$table->renameColumn('biography', 'bio')
->update();
}
}
列を追加するときに、 after
オプションを使用してその位置を指定することができます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Change Method.
*/
public function change()
{
$table = $this->table('users');
$table->addColumn('city', 'string', ['after' => 'email'])
->update();
}
}
カラムを削除するには、 removeColumn()
メソッドを使用してください。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('users');
$table->removeColumn('short_name')
->save();
}
}
limit
オプションを使ってカラムの最大長を制限できます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Change Method.
*/
public function change()
{
$table = $this->table('tags');
$table->addColumn('short_name', 'string', ['limit' => 30])
->update();
}
}
既存のカラムのカラム型またはオプションを変更するには、 changeColumn()
メソッドを使用します。
使用可能な値に関しては、 有効なカラムの型 や 有効なカラムのオプション をご覧ください。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$users = $this->table('users');
$users->changeColumn('email', 'string', ['limit' => 255])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
テーブルにインデックスを追加するには、テーブルオブジェクトに対して
addIndex()
メソッドを呼び出すことができます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('users');
$table->addColumn('city', 'string')
->addIndex(['city'])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
デフォルトでは、Phinx はデータベースアダプターに通常のインデックスを作成するよう指示します。
一意のインデックスを指定するために、 unique
を addIndex()
メソッドに渡すことができます。
また、 name
パラメーターを使ってインデックスの名前を明示的に指定することもできます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('users');
$table->addColumn('email', 'string')
->addIndex(['email'], ['unique' => true, 'name' => 'idx_users_email'])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
MySQL アダプターは、 fulltext
インデックスもサポートしています。
5.6 より前のバージョンを使用している場合は、
テーブルが MyISAM
エンジンを使用していることを確認する必要があります。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
public function change()
{
$table = $this->table('users', ['engine' => 'MyISAM']);
$table->addColumn('email', 'string')
->addIndex('email', ['type' => 'fulltext'])
->create();
}
}
removeIndex()
メソッドを呼び出すと簡単にインデックスが削除できます。
各インデックスに対してこのメソッドを呼び出す必要があります。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('users');
$table->removeIndex(['email'])
->save();
// あるいは、インデックスの名前で削除することもできます。例:
$table->removeIndexByName('idx_users_email')
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
Phinx は、データベーステーブルに外部キー制約を作成する機能をサポートしています。 例のテーブルに外部キーを追加しましょう。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('tags');
$table->addColumn('tag_name', 'string')
->save();
$refTable = $this->table('tag_relationships');
$refTable->addColumn('tag_id', 'integer')
->addForeignKey('tag_id', 'tags', 'id', ['delete'=> 'SET_NULL', 'update'=> 'NO_ACTION'])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
「削除時」および「更新時」アクションは、 'delete' および 'update' オプション配列で定義されます。 使用可能な値は、 'SET_NULL'、 'NO_ACTION'、 'CASCADE' および 'RESTRICT' です。 制約名は 'constraint' オプションで変更できます。
addForeignKey()
にカラムの配列を渡すこともできます。
これにより、複合キーを使用するテーブルとの外部キー関係を確立することができます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('follower_events');
$table->addColumn('user_id', 'integer')
->addColumn('follower_id', 'integer')
->addColumn('event_id', 'integer')
->addForeignKey(['user_id', 'follower_id'],
'followers',
['user_id', 'follower_id'],
['delete'=> 'NO_ACTION', 'update'=> 'NO_ACTION', 'constraint' => 'user_follower_id'])
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
constraint
パラメーターを使って名前付きの外部キーを追加することができます。
この機能は Phinx バージョン 0.6.5 でサポートされます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('your_table');
$table->addForeignKey('foreign_id', 'reference_table', ['id'],
['constraint'=>'your_foreign_key_name']);
->save();
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
外部キーが存在するかどうかも簡単に確認できます。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('tag_relationships');
$exists = $table->hasForeignKey('tag_id');
if ($exists) {
// 何かします
}
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}
最後に、外部キーを削除するには、 dropForeignKey
メソッドを使用します。
<?php
use Phinx\Migration\AbstractMigration;
class MyNewMigration extends AbstractMigration
{
/**
* Migrate Up.
*/
public function up()
{
$table = $this->table('tag_relationships');
$table->dropForeignKey('tag_id');
}
/**
* Migrate Down.
*/
public function down()
{
}
}