ElasticSearch プラグインは、elasticsearch の上に ORM のような抽象化を提供します。そのプラグインは、テストの作成、 ドキュメントのインデックス作成、インデックスをより簡単に検索などの機能を提供します。
ElasticSearch プラグインをインストールするには、 composer
が利用できます。(composer.json
ファイルが置かれている) アプリケーションの ROOT ディレクトリーから次のコマンドを実行します。
php composer.phar require cakephp/elastic-search "@stable"
以下の1行をあなたのアプリケーションの src/Application.php ファイルに追加する必要があります。
$this->addPlugin('Cake/ElasticSearch', ['bootstrap' => true]);
// 3.6.0 より前は、Plugin::load() を使用する必要があります
追加で 'elastic' のデータソースの接続を config/app.php ファイルに設定する必要があります。 設定例は以下のようになります。
// config/app.php の中で
'Datasources' => [
// 他のデータソース
'elastic' => [
'className' => 'Cake\ElasticSearch\Datasource\Connection',
'driver' => 'Cake\ElasticSearch\Datasource\Connection',
'host' => '127.0.0.1',
'port' => 9200,
'index' => 'my_apps_index',
],
]
ElasticSearch プラグインは elasticsearch インデックスと作用することを簡単にし、
ORM に似たインタフェースを提供します。まず最初に Type
オブジェクトを
作成しなければいけません。 Type
オブジェクトは elasticsearch 内では "Repository"
もしくは Table のようなクラスです。
// src/Model/Type/ArticlesType.php の中で
namespace App\Model\Type;
use Cake\ElasticSearch\Type;
class ArticlesType extends Type
{
}
コントローラーで Type クラスを利用できます。
public function beforeFilter(Event $event)
{
parent::beforeFilter($event);
// 'Elastic' プロバイダーを利用して Type を読み込む
$this->loadModel('Articles', 'Elastic');
}
public function add()
{
$article = $this->Articles->newEntity();
if ($this->request->is('post')) {
$article = $this->Articles->patchEntity($article, $this->request->getData());
if ($this->Articles->save($article)) {
$this->Flash->success('It saved');
}
}
$this->set(compact('article'));
}
インデックスされた articles の基本的なビューを作成する必要があります。
// src/Template/Articles/add.ctp の中で
<?= $this->Form->create($article) ?>
<?= $this->Form->control('title') ?>
<?= $this->Form->control('body') ?>
<?= $this->Form->button('Save') ?>
<?= $this->Form->end() ?>
これで、フォームの送信が可能になり、新しいドキュメントが elasticsearch に追加されました。
ORM と同様に、Elasticsearch ODM は エンティティー のようなクラスを使用しています。
継承しなければならない基底クラスは Cake\ElasticSearch\Document
です。
Document クラスは、アプリケーションやプラグイン内の Model\Document
名前空間に配置します。
namespace App\Model\Document;
use Cake\ElasticSearch\Document;
class Article extends Document
{
}
elasticsearch からのデータで Document を動作させるコンストラクターロジックの外側、
インターフェイスと Document
によって提供される機能は、 Entities
内にあるものと同じです。
いくつかのドキュメントをインデックスに登録した後、あなたはそれらを検索したいと思うでしょう。 ElasticSearch プラグインを使用すると、検索クエリーを構築するためのクエリービルダーを提供します。
$query = $this->Articles->find()
->where([
'title' => 'special',
'or' => [
'tags in' => ['cake', 'php'],
'tags not in' => ['c#', 'java']
]
]);
foreach ($query as $article) {
echo $article->title;
}
フィルタリング条件を追加するために QueryBuilder
を使用することができます。
$query->where(function ($builder) {
return $builder->and(
$builder->gt('views', 99),
$builder->term('author.name', 'sally')
);
});
QueryBuilder のソース は、多くの一般的に使用されるメソッドの例となるメソッドの完全なリストを持っています。
ORMと同様に、ElasticSearch プラグインは、ドキュメントをマーシャリングするときに データを検証することができます。リクエストデータのバリデート、およびアプリケーションルールの 適用は、リレーショナルORMと同じ動作をします。詳細については、 エンティティー構築前のデータ検証 と 条件付き/動的なエラーメッセージ のセクションをご覧ください。
elasticsearch にいくつかのデータをインデックスする準備ができたら、最初にインデックスが付けられる
Document
にデータを変換する必要があります。
$article = $this->Articles->newEntity($data);
if ($this->Articles->save($article)) {
// Document はインデックスされました
}
ドキュメントをマーシャリングするとき、 associated
キーを使用してマーシャリングしたい
埋め込みドキュメントを指定することができます。
$article = $this->Articles->newEntity($data, ['associated' => ['Comments']]);
ドキュメントを保存すると、次のイベントがトリガーされます:
Model.beforeSave
- ドキュメントが保存される前に発生します。
このイベントを停止することによって保存操作を防ぐことができます。
Model.buildRules
- ルールチェッカーが最初に構築されているときに発生します。
Model.afterSave
- ドキュメントが保存された後に発生します。
注釈
親ドキュメントとすべての埋め込みドキュメントを1つの操作で保存するため、 埋め込みドキュメントのためのイベントはありません。
データの再インデックスが必要な場合、既存のエンティティーにパッチを適用すると再保存できます。
$query = $this->Articles->find()->where(['user.name' => 'jill']);
foreach ($query as $doc) {
$doc->set($newProperties);
$this->Articles->save($doc);
}
ドキュメントを検索した後、それを削除することができます。
$doc = $this->Articles->get($id);
$this->Articles->delete($doc);
また、特定の条件に一致するドキュメントを削除することができます。
$this->Articles->deleteAll(['user.name' => 'bob']);
埋め込みドキュメントを定義することで、ドキュメント内の特定のプロパティーのパスに
エンティティークラスを添付することができます。これは、親ドキュメント内のドキュメントに
独自の振る舞いを提供することができます。たとえば、あなたが記事に埋め込まれたコメントは、
特定のアプリケーション固有のメソッドを持っている場合があります。あなたが埋め込みドキュメントを
定義するために embedOne
と embedMany
を使用することができます。
// in src/Model/Type/ArticlesType.php
namespace App\Model\Type;
use Cake\ElasticSearch\Type;
class ArticlesType extends Type
{
public function initialize()
{
$this->embedOne('User');
$this->embedMany('Comments', [
'entityClass' => 'MyComment'
]);
}
}
上記の Article
ドキュメント上の2つの埋め込みドキュメントを作成します。
User
埋め込みは App\Model\Document\User
のインスタンスに user
プロパティーを変換します。
プロパティー名と一致していないクラス名を使用する埋め込みコメントを得るためには、カスタムクラス名を
設定するための entityClass
オプションを使用することができます。
埋め込みドキュメントをセットアップしたら、 find()
と get
の結果は
正しい埋め込みドキュメントクラスのオブジェクトを返します。
$article = $this->Articles->get($id);
// App\Model\Document\User のインスタンス
$article->user;
// App\Model\Document\Comment インスタンスの配列
$article->comments;
ORM と同様に、ElasticSearch プラグインは Type
のインスタンスを取得するための
ファクトリー/レジストリーを提供します。
use Cake\ElasticSearch\TypeRegistry;
$articles = TypeRegistry::get('Articles');
テストケースの中で、レジストリーをフラッシュすることができます。 そうすることでモックオブジェクトを使用したり、Type の依存関係を変更する際に便利です。
TypeRegistry::flush();
ElasticSearch プラグインは、シームレスなテストスイートの統合を提供します。ちょうどデータベースの フィクスチャーのように、elasticsearch のためのテストフィクスチャーを作成することができます。 次のように Articles タイプのテストフィクスチャーを定義することができます。
namespace App\Test\Fixture;
use Cake\ElasticSearch\TestSuite\TestFixture;
/**
* Articles fixture
*/
class ArticlesFixture extends TestFixture
{
/**
* The table/type for this fixture.
*
* @var string
*/
public $table = 'articles';
/**
* The mapping data.
*
* @var array
*/
public $schema = [
'id' => ['type' => 'integer'],
'user' => [
'type' => 'nested',
'properties' => [
'username' => ['type' => 'string'],
]
],
'title' => ['type' => 'string'],
'body' => ['type' => 'string'],
];
public $records = [
[
'user' => [
'username' => 'billy'
],
'title' => 'First Post',
'body' => 'Some content'
]
];
}
schema
プロパティーは ネイティブ elasticsearch マッピングフォーマット を使用します。
安全にタイプ名およびトップレベルの properties
キーを省略することができます。
フィクスチャーが作成されたら、あなたのテストの fixtures
プロパティーに含めることによって、
あなたのテストケースで使用することができます。
public $fixtures = ['app.Articles'];