CakePHP では、コントローラー・モデル・ビューの組み合わせを設定し、 他の CakePHP アプリケーションで使用できるよう事前にパッケージ化された アプリケーションプラグインとしてリリースできます。あなたのアプリケーションの1つに、 素敵なユーザー管理モジュールやシンプルなブログやウェブサービスモジュールを作成したら、 CakePHP プラグインとしてパッケージ化してみませんか?そうすれば、他のアプリケーションで 再利用したり、コミュニティーで共有したりすることができます!
CakePHP プラグインは、ホストアプリケーション自身とは基本的に分離されており、 一般的にきちんとパッケージ化され、他のアプリケーションではほとんど手間をかけずに 再利用できる明確な機能を提供します。アプリケーションとプラグインは、それぞれの空間で動作しますが、 アプリケーションの設定によって定義・共有される、アプリケーション固有のプロパティー (データベース接続パラメーターなど)を共有します。
CakePHP 3.0 では、それぞれのプラグインごとに最上位の名前空間 (例えば DebugKit
と
いったように) を定義します。規約により、プラグインはそのパッケージ名が名前空間の名前と
なります。
もし別の名前空間名を使いたいなら、プラグインをロードする時に設定することが可能です。
Packagist には多くのプラグインがあり、 Composer
を
使ってインストールが可能です。DebugKit をインストールには、下記のコマンドを実行します。
php composer.phar require cakephp/debug_kit
これによって最新の DebugKit をインストールして、あなたの composer.json, composer.lock ファイルを更新し、 vendor/cakephp-plugins.php とオートローダーも更新します。
もしあなたがインストールしたいプラグインが packagist.org になければ、プラグインのコードを
plugins ディレクトリーにコピーすることもできます。
例えば 'ContactManager' という名前のプラグインをインストールするなら、 plugins
フォルダーの中に
'ContactManager' という名前のフォルダーを作り、この下にプラグインの src, tests といった
フォルダーを作ります。
composer
や bake
を使ってプラグインをインストールするなら、
プラグインのためにクラスの自動読み込みの設定をする必要はありません。
一方、 MyPlugin
という名前のプラグインを手動でインストールした場合、
アプリケーションの composer.json ファイルを次の情報を含むように更新する必要があります。
{
"autoload": {
"psr-4": {
"MyPlugin\\": "plugins/MyPlugin/src/"
}
},
"autoload-dev": {
"psr-4": {
"MyPlugin\\Test\\": "plugins/MyPlugin/tests/"
}
}
}
あなたのプラグインがベンダーの名前空間を使うなら、パスマッピングの名前空間は下記のように なるでしょう。
{
"autoload": {
"psr-4": {
"AcmeCorp\\Users\\": "plugins/AcmeCorp/Users/src/",
"AcmeCorp\\Users\\Test\\": "plugins/AcmeCorp/Users/tests/"
}
}
}
そして、 Composer の自動読み込みキャッシュを初期化する必要があります。
php composer.phar dumpautoload
もしあなたが何らかの理由で Composer を使う事ができないのなら、 Plugin
を使って
自動読み込みを行うこともできます。
Plugin::load('ContactManager', ['autoload' => true]);
バージョン 3.7.0 で非推奨: Plugin::load() と autoload
オプションは非推奨です。
注釈
重要: autoload
オプションは addPlugin()
では使用できません。代わりに composer dumpautoload
を使用してください。
もし、プラグインのルート、コンソールコマンド、ミドルウェア、またはイベントリスナーが欲しい場合、
プラグインを読み込む必要があります。プラグインは、アプリケーションの bootstrap()
関数の中で
読み込まれます。
// src/Application.php の中。3.6.0 以上が必要。
use Cake\Http\BaseApplication;
use ContactManager\Plugin as ContactManagerPlugin;
class Application extends BaseApplication {
public function bootstrap()
{
parent::bootstrap();
// クラス名で contact manager プラグインを読み込み
$this->addPlugin(ContactManagerPlugin::class);
// '短縮名' でベンダーの名前空間付きプラグインを読み込み
$this->addPlugin('AcmeCorp/ContactManager');
}
}
単にプラグインのヘルパー、ビヘイビアー、またはコンポーネントが欲しいだけの場合、 プラグインを読み込む必要はありません。
3.6.0 より前の場合、 Plugin::load()
を使ってください。
// config/bootstrap.php の中で
// 特定のプラグインを読み込みます。
Plugin::load('ContactManager');
// ベンダーの名前空間の特定のプラグインを読み込みます。
Plugin::load('AcmeCorp/ContactManager');
また、プラグインを有効にする便利なシェルコマンドがあります。次の行を実行してください。
bin/cake plugin load ContactManager
これは、アプリケーションの bootstrap メソッドを更新、
または $this->addPlugin('ContactManager');
を bootstrap に書き込みます。
バージョン 3.6.0 で追加: addPlugin()
が追加されました。
プラグインは、プラグインがアプリケーションの適切な部分に自分自身を注入できるようにする いくつかのフックを提供します。
フックは以下の通りです。
bootstrap
プラグインのデフォルト設定ファイルの読み込み、
定数やその他のグローバル関数の定義に使用されます。
routes
プラグインのルートをロードするために使用されます。
アプリケーションのルートがロードされた後に呼ばれます。
middleware
プラグインのミドルウェアをアプリケーションの
ミドルウェアキューに追加するために使用されます。
console
アプリケーションのコマンドコレクションにコンソールコマンドを
追加するために使用されます。
プラグインをロードするとき、有効にするフックを設定できます。 デフォルトでは、 Plugin オブジェクト のないプラグインはすべてのフックを無効にします。 新しいスタイルのプラグインを使用すると、プラグイン作成者はデフォルトを設定できます。 これを利用者はアプリケーション中で変更可能です。
// Application::bootstrap() の中で
use ContactManager\Plugin as ContactManagerPlugin;
// ContactManager プラグインのルートを無効化
$this->addPlugin(ContactManagerPlugin::class, ['routes' => false]);
フックを配列オプションで設定することも、 Plugin クラスで提供されるメソッドで設定することもできます。
// Application::bootstrap() の中で
use ContactManager\Plugin as ContactManagerPlugin;
// フックを設定するために disable/enable を使用
$plugin = new ContactManagerPlugin();
$plugin->disable('bootstrap');
$plugin->enable('routes');
$this->addPlugin($plugin);
Plugin オブジェクトは、名前とパス情報も知っています。
$plugin = new ContactManagerPlugin();
// プラグイン名を取得
$name = $plugin->getName();
// プラグインルートへのパスとその他のパス
$path = $plugin->getPath();
$path = $plugin->getConfigPath();
$path = $plugin->getClassPath();
3.6.0 より前は、 bootstrap
と routs
フックを有効にする必要があります。
古いスタイルのプラグインは、 middleware
と console
フックはサポートしません。
// config/bootstrap.php の中、
// または Application::bootstrap() の中で
// loadAll() を使用
Plugin::loadAll([
'Blog' => ['routes' => true],
'ContactManager' => ['bootstrap' => true],
'WebmasterTools' => ['bootstrap' => true, 'routes' => true],
]);
また、プラグインを個別に読み込むことができます。
// blog を読み込み、routes をインクルード
Plugin::load('Blog', ['routes' => true]);
// 設定と初期化を行う bootstrap をインクルード
Plugin::load('ContactManager', ['bootstrap' => true]);
この設定スタイルは、プラグインの設定やルートを手動で include()
や
require()
する必要がなく、自動で正しい時間と正しい場所で読み込まれます。
特定の設定を持たない全てのプラグインを読み込むデフォルトの loadAll()
を設定できます。
次の例は、全てのプラグインの bootstrap を読み込み、 それに加えて Blog プラグインの routes を読み込みます。
Plugin::loadAll([
['bootstrap' => true],
'Blog' => ['routes' => true]
]);
プラグインで指定された全てのファイルが実際に存在しないと、PHP が読み込めないファイルごとに
警告を出します。この潜在的な警告は、 ignoreMissing
オプションを使用して避けることができます。
Plugin::loadAll([
['ignoreMissing' => true, 'bootstrap' => true],
'Blog' => ['routes' => true]
]);
プラグインを読み込むとき、プラグイン名は名前空間名と一致すべきです。
例えば、最上位の名前空間が Users
のプラグインがあるなら、このように読み込みます。
Plugin::load('User');
もしあなたが AcmeCorp/Users
といったように、ベンダー名を最上位の名前空間名に
したいのなら、このようにプラグインを読み込みます。
Plugin::load('AcmeCorp/Users');
クラス名は プラグイン記法 を使うことで、適切に解決されるでしょう。
ほとんどのプラグインで、設定するための正確な手続きとデータベースのセットアップするための方法が、 ドキュメントに書かれています。他よりセットアップが必要なものもあります。
バージョン 3.7.0 で非推奨: Plugin::load() と Plugin::loadAll() は非推奨です。
クラス名の前にプラグイン名を付けることで、プラグインのコントローラー、 モデル、コンポーネント、ビヘイビアーとヘルパーを参照できます。
例えば、あなたの画面で整形された連絡先情報を表示するために、 ContactManager プラグインの
ContactInfoHelper を使いたいとしましょう。この場合、あなたのコントローラーの
$helpers
配列にこのように記述します。
public $helpers = ['ContactManager.ContactInfo'];
注釈
このドット区切りのクラス名は、 プラグイン記法 と呼ばれます。
すると、あなたが作った他のヘルパー同様に、 ContactInfoHelper
に
アクセスできるようになります。
echo $this->ContactInfo->address($contact);
動作サンプルとして、上記を参考に ContactManager を作りましょう。 まず始めに、プラグインの基本ディレクトリー構成を準備します。 それはこのようになります。
/src
/plugins
/ContactManager
/config
/src
/Plugin.php
/Controller
/Component
/Model
/Table
/Entity
/Behavior
/View
/Helper
/Template
/Layout
/tests
/TestCase
/Fixture
/webroot
プラグインフォルダーの名前が 'ContactManager' になっています。このフォルダーが プラグインと同じ名前になる事が大切です。
プラグインフォルダーの中は CakePHP アプリケーションと同じような構成であることに気づく 思いますが、それが基本的な構成です。使わないフォルダーは作る必要はありません。 コンポーネントとビヘイビアーだけで定義されるプラグインもあれば、 'Template' ディレクトリーが 完全に省略されるプラグインもあります。
プラグインは、アプリケーションが持つ Config, Console, webroot 等といったディレクトリーも 設置できます。
プラグイン制作の過程は、Bake shell を使えば非常に簡単です。
プラグインを bake するのは以下のコマンドになります。
bin/cake bake plugin ContactManager
Bake を使用して、プラグインのクラスを作成できます。 例えばプラグインのコントローラーを bake するには
bin/cake bake controller --plugin ContactManager Contacts
もしコマンドラインで問題があれば、 Bake でコード生成 の章を参照してください。 また、プラグインを作ったら必ずオートローダーを再作成してください。
php composer.phar dumpautoload
Plugin オブジェクトを使用すると、プラグイン作成者は設定ロジックを定義し、 デフォルトのフックを定義し、ルート、ミドルウェア、およびコンソールコマンドをロードできます。 Plugin オブジェクトは、 src/Plugin.php にあります。 ContactManager プラグイン の場合、 Plugin クラスは、次のようになります。
namespace ContactManager;
use Cake\Core\BasePlugin;
use Cake\Core\PluginApplicationInterface;
class Plugin extends BasePlugin
{
public function middleware($middleware)
{
// ここにミドルウェアを追加。
return $middleware;
}
public function console($commands)
{
// ここにコンソールコマンドを追加。
return $commands;
}
public function bootstrap(PluginApplicationInterface $app)
{
// 定数を追加。デフォルトの設定をロード。
// デフォルトでは、プラグインの中の `config/bootstrap.php` をロードします。
parent::bootstrap($app);
}
public function routes($routes)
{
// ルートの追加。
// デフォルトでは、プラグインの中の `config/routes.php` をロードします。
parent::routes($routes);
}
}
バージョン 3.6.0 で追加: Plugin オブジェクトは 3.6.0 で追加されました。
プラグインは、ルートを含むルートファイルを提供できます。各プラグインは、 config/routes.php ファイルを含むことができます。このルートファイルは、 プラグインが追加された時、またはアプリケーションのルートファイルの中で ロードすることができます。ContactManager プラグインのルートを作成するためには、 plugins/ContactManager/config/routes.php の中に以下を記述してください。
<?php
use Cake\Routing\Route\DashedRoute;
use Cake\Routing\Router;
Router::plugin(
'ContactManager',
['path' => '/contact-manager'],
function ($routes) {
$routes->get('/contacts', ['controller' => 'Contacts']);
$routes->get('/contacts/:id', ['controller' => 'Contacts', 'action' => 'view']);
$routes->put('/contacts/:id', ['controller' => 'Contacts', 'action' => 'update']);
}
);
上記のようにすれば、プラグインのデフォルトルートに接続できるでしょう。 このファイルをカスタマイズすることで、後から個別のルートを設定することができます。
コントローラーにアクセスする前に、プラグインがロードされ、ルートがロードされる必要があります。 src/Application.php に下記を追加してください。
$this->addPlugin('ContactManager', ['routes' => true]);
アプリケーションのルート一覧の中で、プラグインのルートをロードすることもできます。 これにより、プラグインのルートをロードする方法をより詳細に制御し、 追加のスコープやプレフィックスでプラグインのルートをラップすることができます。
Router::scope('/', function ($routes) {
// 他のルートに接続。
$routes->scope('/backend', function ($routes) {
$routes->loadPlugin('ContactManager');
});
});
上記の結果は、 /backend/contact-manager/contacts
のような URL になります。
バージョン 3.5.0 で追加: RouteBuilder::loadPlugin()
は 3.5.0 で追加されました。
ContactManager プラグインのコントローラーは、 plugins/ContactManager/src/Controller/ に設置されます。主にやりたい事は contacts の管理ですので、このプラグインには ContactsController が必要です。
そこで ContactsController を plugins/ContactManager/src/Controller に設置し、 このように書きます。
// plugins/ContactManager/src/Controller/ContactsController.php
namespace ContactManager\Controller;
use ContactManager\Controller\AppController;
class ContactsController extends AppController
{
public function index()
{
//...
}
}
まだ作っていないなら、 AppController
も作りましょう。
// plugins/ContactManager/src/Controller/AppController.php
namespace ContactManager\Controller;
use App\Controller\AppController as BaseController;
class AppController extends BaseController
{
}
プラグインの AppController
は、プラグイン内の全コントローラー共通のロジックを
持ちますが、使わないようでしたら作らなくても構いません。
これまでのところでアクセスするなら、 /contact-manager/contacts
にアクセスして
みてください。 "Missing Model" エラーが表示されるでしょうが、これはまだ
Contact モデルが定義されていないためです。
もしあなたのアプリケーションが、CakePHP の提供するデフォルトルーティングを含むなら、 あなたのプラグインコントローラーへは下記のような URL でアクセスできます。
// プラグインコントローラーの index にアクセスする
/contact-manager/contacts
// プラグインコントローラーのそれぞれのアクションにアクセスする
/contact-manager/contacts/view/1
もしあなたのアプリケーションでルーティングプレフィックスを定義しているなら、 CakePHP のデフォルトルーティングは下記の書式でルーティングします。
/:prefix/:plugin/:controller
/:prefix/:plugin/:controller/:action
特定ファイルにルーティングするようなプラグインの読み込み方法については、 プラグインフックの設定 のセクションをご覧ください。
bake で作っていないプラグインなら、クラスを自動的に読み込むために composer.json ファイルを編集して、あなたのプラグインを追加する必要があります。 これは プラグインクラスを手動で自動読み込み に従って行うことができます。
プラグインのモデルは plugins/ContactManager/src/Model に設置されます。 既にこのプラグインの ContactsController は定義してありますから、このコントローラーの ためのテーブルとエンティティーを作成しましょう。
// plugins/ContactManager/src/Model/Entity/Contact.php:
namespace ContactManager\Model\Entity;
use Cake\ORM\Entity;
class Contact extends Entity
{
}
// plugins/ContactManager/src/Model/Table/ContactsTable.php:
namespace ContactManager\Model\Table;
use Cake\ORM\Table;
class ContactsTable extends Table
{
}
エンティティークラスを作った時や関連付けを行いたい時など、あなたのプラグイン内のモデルを 参照したい場合には、プラグイン名とクラス名をドットで区切る必要があります。例えば:
// plugins/ContactManager/src/Model/Table/ContactsTable.php:
namespace ContactManager\Model\Table;
use Cake\ORM\Table;
class ContactsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasMany('ContactManager.AltName');
}
}
もし関連付け配列のキーにプラグインの接頭語をつけたくないのなら、代わりにこのような 構文が使えます。
// plugins/ContactManager/src/Model/Table/ContactsTable.php:
namespace ContactManager\Model\Table;
use Cake\ORM\Table;
class ContactsTable extends Table
{
public function initialize(array $config)
{
$this->hasMany('AltName', [
'className' => 'ContactManager.AltName',
]);
}
}
おなじみの プラグイン記法 を使う事で、プラグインのテーブルを
読み込むために TableRegistry
を使用することができます。
use Cake\ORM\TableRegistry;
// Prior to 3.6 use TableRegistry::get('ContactManager.Contacts')
$contacts = TableRegistry::getTableLocator()->get('ContactManager.Contacts');
あるいは、コントローラーの処理の中で以下のように使用できます。
$this->loadModel('ContactsMangager.Contacts');
ビューは通常のアプリケーション内と同じように動作します。
plugins/[PluginName]/src/Template/
フォルダーの中の正しいフォルダー内に配置するだけです。
我々の ContactManager プラグインでは ContactsController::index()
アクションに
ビューが必要ですから、このような内容になります。
// plugins/ContactManager/src/Template/Contacts/index.ctp:
<h1>連絡先</h1>
<p>ソート可能なあなたの連絡先一覧は次のとおりです</p>
<!-- ソート可能な連絡先一覧はこちら....-->
プラグインは独自のレイアウトを提供することができます。
プラグインレイアウトを追加するためには、テンプレートファイルを
plugins/[PluginName]/src/Template/Layout
に配置します。
プラグインレイアウトをコントローラーで使用するには、下記のようにします。
public $layout = 'ContactManager.admin';
プラグインのプレフィックスを省略した場合は、レイアウトやビューファイルは通常のものを使用します。
注釈
プラグインからのエレメントの使い方については、 エレメント を参照してください。
プラグインのビューはあるパスを使って上書きできます。 仮にあなたが 'ContactManager' という名前のプラグインを持っているとして、 src/Template/Plugin/[Plugin]/[Controller]/[view].ctp というファイルを作って そこにビューロジックを書いておけば、プラグインのテンプレートファイルを上書きすることができます。 Contacts コントローラーなら、次のようなファイルを作成します。
src/Template/Plugin/ContactManager/Contacts/index.ctp
このファイルを作成すると、 plugins/ContactManager/src/Template/Contacts/index.ctp を上書きします。
もし、あなたのプラグインが composer の依存関係の中にある場合 (例えば 'Company/ContactManager')、 Custom コントローラーの 'index' ビューへのパスは、次の通りです。
src/Template/Plugin/ContactManager/Contacts/index.ctp
このファイルを作成すると、 vendor/Company/ContactManager/src/Template/Contacts/index.ctp を上書きします。
プラグインがルーティングプレフィックスを実装する場合、上書きする アプリケーションテンプレートのパスにルーティングプレフィックスが含まなければなりません。 例えば、 'ContactManager' プラグインが 'admin' プレフィックスを実装する場合、 上書きするパスは、次の通りです。
src/Template/Plugin/Company/ContactManager/Admin/Contact/index.ctp
プラグインのウェブアセット (PHP 以外のファイル) は、メインアプリケーションのアセットと
同様にプラグインの webroot
ディレクトリーを介して配信されます。
/plugins/ContactManager/webroot/
css/
js/
img/
flash/
pdf/
通常の webroot と同じようにどのディレクトリーにどんなファイルでも置くことができます。
警告
ディスパッチャーを介して静的アセット (画像や JavaScript や CSS ファイル) を取り扱うことは 非常に非効率です。 詳細は アプリケーションのパフォーマンスの向上 をご覧ください。
HtmlHelper
の script, image, css メソッドを使って
プラグイン内のアセットへのリンクを作りたい場合、 プラグイン記法 が使えます。
// /contact_manager/css/styles.css への URL を生成します
echo $this->Html->css('ContactManager.styles');
// /contact_manager/js/widget.js への URL を生成します
echo $this->Html->script('ContactManager.widget');
// /contact_manager/img/logo.jpg への URL を生成します
echo $this->Html->image('ContactManager.logo');
プラグインのアセットは、デフォルトで AssetMiddleware
ミドルウェアを
使用して提供されます。これは開発時のみ使用することが推奨されます。
本番環境ではパフォーマンスを向上させるために、
プラグインのアセットをシンボリックリンク化 すべきです。
もしあなたがヘルパーを使わないなら、プラグインのアセットを提供するためには URL の先頭に プラグイン名を付加します。 '/contact_manager/js/some_file.js' へのリンクで、 plugins/ContactManager/webroot/js/some_file.js というアセットを提供します。
プラグインには通常の CakePHP アプリケーションと同じように、コンポーネント、ヘルパー、 ビヘイビアーを持つ事ができます。あなたはコンポーネント、ヘルパー、ビヘイビアーだけからなる プラグインを作る事もできます。これはコンポーネントを他のプロジェクトに簡単に導入すれば 再利用可能となるような素晴らしい方法です。
このようなコンポーネントを作る事は、実際、通常のアプリケーションとして作る事と同じであり、 特別な命名規則もありません。
プラグインの内部や外部からコンポーネントを参照する方法は、コンポーネント名の前に プラグイン名を付けるだけです。例えば:
// 'ContactManager' プラグインのコンポーネントとして定義
namespace ContactManager\Controller\Component;
use Cake\Controller\Component;
class ExampleComponent extends Component
{
}
// コントローラーの中で
public function initialize()
{
parent::initialize();
$this->loadComponent('ContactManager.Example');
}
同じテクニックはヘルパーとビヘイビアーにも使えます。
プラグインは、 console()
フックの中で、コマンドを登録することができます。
デフォルトでは、プラグイン内のすべてのシェルとコマンドが自動検出され、
アプリケーションのコマンドリストに追加されます。
プラグインコマンドの先頭にはプラグイン名が付いています。例えば、
ContactManager
プラグインによって提供される UserCommand
は、
contact_manager.user
と user
の両方として登録されます。プレフィックスのない名前は、
アプリケーションや他のプラグインで使用されていないプラグインでのみ使用されます。
プラグインで各コマンドを定義することによって、コマンド名をカスタマイズすることができます。
public function console($commands)
{
// ネストされたコマンドを作成
$commands->add('bake model', ModelCommand::class);
$commands->add('bake controller', ControllerCommand::class);
return $commands;
}
コントローラーやURLの生成をテストする場合、プラグインがルート tests/bootstrap.php
に接続していることを確認してください。
詳細は testing plugins ページを確認してください。
CakePHP のプラグインは the packagist に公開しましょう。 こちらでは、他の人々は composer の依存関係として使用することができます。 awesome-cakephp list に申し込みできます。
パッケージ名にセマンティックな意味のある名前を選んでください。これは、理想を言えば、 "cakephp" をフレームワークとして依存関係を設定するべきです。 ベンダー名は、通常あなたの GitHub ユーザー名になります。 CakePHP 名前空間 (cakephp) を 使用しない でください。 これは、CakePHP 自身のプラグインのために予約されています。 小文字と区切り文字のダッシュを使用することが決まりです。
もし、あなたの GitHub アカウントが "FooBar" で "Logging" プラグインを作成する場合、 foo-bar/cakephp-logging と名付けるといいでしょう。 そして、CakePHP 自身の "Localized" プラグンは、 cakephp/localized で見つけられます。
Composer 経由でインストールすると、 vendor/cakephp-plugins.php
というファイルが
作られることに気付くかもしれません。この設定ファイルにはプラグイン名とファイルシステム上の
配置場所の情報が含まれています。これによって、プラグインを通常の検索パスの外の、標準の
vendor ディレクトリーにインストールすることが可能になります。 Plugin
クラスは
load()
や loadAll()
でプラグインをロードする時に、このファイルを使って
場所を特定します。通常あなたはこのファイルを手動で編集する必要はなく、 Composer や
plugin-installer
パッケージが管理してくれます。
CakePHP アプリケーションでプラグインを発見して管理する別の方法は、 Mixer です。これは Packagist からプラグインをインストールするのに 便利な CakePHP のプラグインです。また、既存のプラグインを管理するのにも役立ちます。
注釈
重要: 本番環境でこれを使用しないでください。