Folder & File

Folder と File ユーティリティは、ファイルの読み書きやフォルダー内のファイル名一覧の取得、 その他ディレクトリーに関連するタスクにおいて便利なクラスです。

基本的な使用法

クラスがロードされていることを確認してください。

use Cake\Filesystem\Folder;
use Cake\Filesystem\File;

すると、新しいフォルダーインスタンスをセットアップすることができるようになります。

$dir = new Folder('/path/to/folder');

そして、そのフォルダー内から .ctp の拡張子が付いたファイルを 正規表現を使って検索できます。

$files = $dir->find('.*\.ctp');

これでファイルをループしたり、読み込み、内容の書き込み・追記、 ファイルの削除などが行えるようになります。

foreach ($files as $file) {
    $file = new File($dir->pwd() . DS . $file);
    $contents = $file->read();
    // $file->write('このファイルの内容を上書きします');
    // $file->append('このファイルの最後に追記します。');
    // $file->delete(); // このファイルを削除します
    $file->close(); // 終了時にファイルをクローズしましょう
}

Folder API

class Cake\Filesystem\Folder(string $path = false, boolean $create = false, string|boolean $mode = false)
// 0755 のパーミッションで新しいフォルダーを作成します
$dir = new Folder('/path/to/folder', true, 0755);
property Cake\Filesystem\Folder::$path

フォルダーの現在のパス。 Folder::pwd() は同じ情報を返します。

property Cake\Filesystem\Folder::$sort

リストを取得する際に、名前によるソートを実行するかどうか。

property Cake\Filesystem\Folder::$mode

フォルダー作成時のモード。デフォルトは 0755 です。 Windows マシンでは何も影響しません。

static Cake\Filesystem\Folder::addPathElement(string $path, string $element)

$path と $element の間に適切なスラッシュを加えて返します。

$path = Folder::addPathElement('/a/path/for', 'testing');
// $path は /a/path/for/testing となります

$element は、配列も指定できます。

$path = Folder::addPathElement('/a/path/for', ['testing', 'another']);
// $path は /a/path/for/testing/another となります
Cake\Filesystem\Folder::cd($path)

ディレクトリーを $path へ移動します。失敗時には false が返ります。

$folder = new Folder('/foo');
echo $folder->path; // /foo を表示
$folder->cd('/bar');
echo $folder->path; // /bar を表示
$false = $folder->cd('/non-existent-folder');
Cake\Filesystem\Folder::chmod(string $path, integer $mode = false, boolean $recursive = true, array $exceptions = [])

ディレクトリー構造のモードを再帰的に変更します。ファイルのモードも同様に変更します。

$dir = new Folder();
$dir->chmod('/path/to/folder', 0755, true, ['skip_me.php']);
Cake\Filesystem\Folder::copy(array|string $options = [])

再帰的にディレクトリーをコピーします。 唯一のパラメーターである $options にはコピー先のパスか、オプションの配列を指定します。

$folder1 = new Folder('/path/to/folder1');
$folder1->copy('/path/to/folder2');
// folder2 の中に folder1 とその全ての内容を配置します

$folder = new Folder('/path/to/folder');
$folder->copy([
    'to' => '/path/to/new/folder',
    'from' => '/path/to/copy/from', // Will cause a cd() to occur
    'mode' => 0755,
    'skip' => ['skip-me.php', '.git'],
    'scheme' => Folder::SKIP  // 既存のディレクトリーやファイルはスキップ。
]);

以下の3つの動作 (scheme) に対応します。

  • Folder::SKIP コピー・移動先にファイルやディレクトリーが既に存在している場合は、スキップします。

  • Folder::MERGE コピー元とコピー先のディレクトリーをマージします。 コピー元のディレクトリーにある ファイルは、対象のディレクトリーにあるファイルを置き換えます。 ディレクトリーの中身はマージされます。

  • Folder::OVERWRITE 対象のディレクトリーに存在するファイルやディレクトリーはコピー元の ディレクトリーの内容で上書きされます。対象とコピー先の両方にサブディレクトリーが含まれる場合、 対象のディレクトリーの内容は、コピー元の内容に削除や置き換えられます。

static Cake\Filesystem\Folder::correctSlashFor(string $path)

$path に与えるべき適切なスラッシュを返します。 (Windows のパスは '\' で、その他のパスは '/')

Cake\Filesystem\Folder::create(string $pathname, integer $mode = false)

再帰的にディレクトリー構造を作成します。 /foo/bar/baz/shoe/horn のような深い階層の作成も可能です。

$folder = new Folder();
if ($folder->create('foo' . DS . 'bar' . DS . 'baz' . DS . 'shoe' . DS . 'horn')) {
    // 入れ子になっているフォルダーの作成に成功
}
Cake\Filesystem\Folder::delete(string $path = null)

システムが許可していた場合、再帰的にディレクトリーを削除します。

$folder = new Folder('foo');
if ($folder->delete()) {
    // foo とその入れ子になっているフォルダーの削除に成功
}
Cake\Filesystem\Folder::dirsize()

フォルダーとその内容のサイズをバイト数で返します。

Cake\Filesystem\Folder::errors()

直近で利用したメソッドのエラーを返します。

Cake\Filesystem\Folder::find(string $regexpPattern = '.*', boolean $sort = false)

現在のディレクトリーでマッチしたファイルを配列で返します。

// webroot/img/ フォルダー内の .png を検索し、ソートして返す
$dir = new Folder(WWW_ROOT . 'img');
$files = $dir->find('.*\.png', true);
/*
Array
(
    [0] => cake.icon.png
    [1] => test-error-icon.png
    [2] => test-fail-icon.png
    [3] => test-pass-icon.png
    [4] => test-skip-icon.png
)
*/

注釈

フォルダーの find メソッドと findRecursive メソッドは、ファイルのみを検索します。 フォルダーとファイルを取得したい場合は、 Folder::read() もしくは Folder::tree() 参照してください。

Cake\Filesystem\Folder::findRecursive(string $pattern = '.*', boolean $sort = false)

現在のディレクトリー内とそれ以下のすべての一致するファイルの配列を返します。

// test もしくは index で始まるファイルを再帰的に検索する
$dir = new Folder(WWW_ROOT);
$files = $dir->findRecursive('(test|index).*');
/*
Array
(
    [0] => /var/www/cake/webroot/index.php
    [1] => /var/www/cake/webroot/test.php
    [2] => /var/www/cake/webroot/img/test-skip-icon.png
    [3] => /var/www/cake/webroot/img/test-fail-icon.png
    [4] => /var/www/cake/webroot/img/test-error-icon.png
    [5] => /var/www/cake/webroot/img/test-pass-icon.png
)
*/
Cake\Filesystem\Folder::inCakePath(string $path = '')

ファイルが与えられた CakePath の中に存在すれば true を返します。

Cake\Filesystem\Folder::inPath(string $path = '', boolean $reverse = false)

ファイルが与えられたパスの中に存在すれば true を返します。

$Folder = new Folder(WWW_ROOT);
$result = $Folder->inPath(APP);
// $result = false, /var/www/example/src/ は /var/www/example/webroot/ の中ではありません

$result = $Folder->inPath(WWW_ROOT . 'img' . DS, true);
// $result = true, /var/www/example/webroot/img/ は /var/www/example/webroot/ の中です
static Cake\Filesystem\Folder::isAbsolute(string $path)

与えられた $path が絶対パスであれば true を返します。

static Cake\Filesystem\Folder::isSlashTerm(string $path)

与えられた $path がスラッシュで終了していれば true を返します。(つまり、スラッシュ終端)

$result = Folder::isSlashTerm('/my/test/path');
// $result = false
$result = Folder::isSlashTerm('/my/test/path/');
// $result = true
static Cake\Filesystem\Folder::isWindowsPath(string $path)

与えられた $path が Windows のパスであれば true を返します。

Cake\Filesystem\Folder::messages()

直近で利用したメソッドのメッセージを取得します。

Cake\Filesystem\Folder::move(array $options)

再帰的にディレクトリーを移動。

static Cake\Filesystem\Folder::normalizePath(string $path)

与えられた $path を適切なスラッシュに調整して返します。 (Windows のパスは '\' で、その他のパスは '/')

Cake\Filesystem\Folder::pwd()

現在のパスを返します。

Cake\Filesystem\Folder::read(boolean $sort = true, array|boolean $exceptions = false, boolean $fullPath = false)

現在のディレクトリーの内容を配列で返します。 戻り値は2つの配列となります。1つはディレクトリー名の配列。もう1つはファイル名の配列です。

$dir = new Folder(WWW_ROOT);
$files = $dir->read(true, ['files', 'index.php']);
/*
Array
(
    [0] => Array // Folders
        (
            [0] => css
            [1] => img
            [2] => js
        )
    [1] => Array // Files
        (
            [0] => .htaccess
            [1] => favicon.ico
            [2] => test.php
        )
)
*/
Cake\Filesystem\Folder::realpath(string $path)

本当のパスを取得します(".." などを考慮して)

static Cake\Filesystem\Folder::slashTerm(string $path)

引数の $path に (Windows や、その他の OS で正しい) 終端のスラッシュを付けたパスを返します。

Cake\Filesystem\Folder::tree(null|string $path = null, array|boolean $exceptions = true, null|string $type = null)

入れ子になったディレクトリーと各ディレクトリー中のファイルの配列を返します。

File API

class Cake\Filesystem\File(string $path, boolean $create = false, integer $mode = 755)
// 0644 のパーミッションで新しいファイルを作成します
$file = new File('/path/to/file.php', true, 0644);
property Cake\Filesystem\File::$Folder

ファイルが属するフォルダー・オブジェクト。

property Cake\Filesystem\File::$name

拡張子付きのファイル名。 拡張子なしのファイル名を返す File::name() とは異なります。

property Cake\Filesystem\File::$info

ファイル情報の配列。 代わりに File::info() を使用してください。

property Cake\Filesystem\File::$handle

ファイルをオープンしている場合のファイルハンドラを保持します。

property Cake\Filesystem\File::$lock

ファイルの読み書き時のロックを有効にします。

property Cake\Filesystem\File::$path

現在のファイルの絶対パス。

Cake\Filesystem\File::append(string $data, boolean $force = false)

与えられたデータ文字列を現在のファイルに追記します。

Cake\Filesystem\File::close()

ファイルがオープンされていた場合、そのファイルをクローズします。

Cake\Filesystem\File::copy(string $dest, boolean $overwrite = true)

ファイルを $dest へコピーします。

Cake\Filesystem\File::create()

ファイルを作成します。

Cake\Filesystem\File::delete()

ファイルを削除します。

Cake\Filesystem\File::executable()

ファイルが実行可能な場合に true を返します。

Cake\Filesystem\File::exists()

ファイルが存在する場合に true を返します。

Cake\Filesystem\File::ext()

ファイルの拡張子を返します。

Cake\Filesystem\File::Folder()

現在のフォルダーを返します。

Cake\Filesystem\File::group()

ファイルのグループを返します。エラーの場合は false を返します。

Cake\Filesystem\File::info()

ファイル情報を返します。

Cake\Filesystem\File::lastAccess()

最終アクセス時刻を返します。

Cake\Filesystem\File::lastChange()

最終更新時刻を返します。エラーの場合は false を返します。

Cake\Filesystem\File::md5(integer|boolean $maxsize = 5)

ファイルサイズを事前にチェックした上で、ファイルの md5 チェックサムを取得します。 エラーの場合、 false を取得します。

Cake\Filesystem\File::name()

拡張子を省いたファイル名を返します。

Cake\Filesystem\File::offset(integer|boolean $offset = false, integer $seek = 0)

現在オープンしているファイルのオフセット値を設定または取得します。

Cake\Filesystem\File::open(string $mode = 'r', boolean $force = false)

現在のファイルを与えられた $mode でオープンします。

Cake\Filesystem\File::owner()

ファイルのオーナーを返します。

Cake\Filesystem\File::perms()

ファイルの "chmod" (パーミッション) を返します。

static Cake\Filesystem\File::prepare(string $data, boolean $forceWindows = false)

ASCII 文字列をファイルへ書き出す事前処理を行います。 現在の実行環境に合わせて改行文字を変換します。 Windows なら "\r\n" を、その他の環境なら "\n" が利用されます。

Cake\Filesystem\File::pwd()

ファイルのフルパスを返します。

Cake\Filesystem\File::read(string $bytes = false, string $mode = 'rb', boolean $force = false)

現在のファイルの内容を文字列で返します。失敗時は false を返します。

Cake\Filesystem\File::readable()

ファイルが読み出し可能な場合に true を返します。

Cake\Filesystem\File::safe(string $name = null, string $ext = null)

保存するファイル名を安全にします。

Cake\Filesystem\File::size()

ファイルサイズをバイト数で返します。

Cake\Filesystem\File::writable()

ファイルが書き込み可能な場合に true を返します。

Cake\Filesystem\File::write(string $data, string $mode = 'w', boolean$force = false)

与えられたデータを現在のファイルへ書き込みます。

Cake\Filesystem\File::mime()

ファイルの MIME タイプを取得します。失敗時は false を取得します。

Cake\Filesystem\File::replaceText($search, $replace)

ファイル内のテキストを置換します。 失敗時に false を返し、成功時に true を返します。