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デバッグ

デバッグはいかなる開発サイクルにおいても避けることのできない、必要なものです。 CakePHP は IDE やエディターと直接連携するようなツールは提供しませんが、 CakePHP はデバッグ作業やあなたのアプリケーション内部で何が走っているのかを探る作業を 助けるためのツールをいくつか提供します。

基本的なデバッグ

debug(mixed $var, boolean $showHtml = null, $showFrom = true)

debug() 関数は PHP 関数の print_r() と同様に、グローバルに利用可能な関数です。 debug() 関数により、さまざまな方法で変数の内容を出力することができます。 データを HTML に優しい方法で表示させたいなら、第2引数を true にしてください。 この関数はまた、デフォルトで呼ばれた場所となるファイルと行番号も出力します。

この関数からの出力は、core の $debug 変数が true の場合のみ行われます。

バージョン 3.3.0 で追加: このメソッドを呼ぶと、渡された $var を返します。例えば、return 文に このメソッドを置くことができます。例:

return debug($data); // 必ず $data を返します。

dd()pr() 及び pj() もご確認ください。

stackTrace()

stackTrace() 関数はグローバルに使用でき、関数がどこで呼ばれたかのスタックトレースを 出力することができます。

breakpoint()

バージョン 3.1 で追加.

もし Psysh をインストールしている場合、この関数を CLI 環境で使用することで現在のローカルスコープで対話型コンソールを開くことができます。

// 実行したいコード
eval(breakpoint());

開いた対話型コンソールでローカル変数のチェックや他のコードの実行をすることができます。 対話型デバッガーを終了して元の処理に戻りたい時は quitq を入力してください。

Debugger クラスの使用

class Cake\Error\Debugger

Debugger を使用する際にはまず、 Configure::read('debug')true がセットされていることを確認してください。

値の出力

static Cake\Error\Debugger::dump($var, $depth = 3)

dump は変数の内容を出力します。渡された変数のすべてのプロパティーと (可能なら)メソッドを出力します。

$foo = [1,2,3];

Debugger::dump($foo);

// 出力
array(
    1,
    2,
    3
)

// シンプルなオブジェクト
$car = new Car();

Debugger::dump($car);

// 出力
object(Car) {
    color => 'red'
    make => 'Toyota'
    model => 'Camry'
    mileage => (int)15000
}

データのマスク

Debugger でデータをダンプしたり、エラーページを描画する際、パスワードや API キーなど 機密キーを隠したくなるでしょう。 config/bootstrap.php の中で、指定したキーを マスクすることができます。

Debugger::setOutputMask([
    'password' => 'xxxxx',
    'awsKey' => 'yyyyy',
]);

バージョン 3.4.0 で追加: 出力のマスクは 3.4.0 で追加されました。

スタックトレース付きのログ出力

static Cake\Error\Debugger::log($var, $level = 7, $depth = 3)

呼び出されたときに詳細なスタックトレースを生成します。 log() メソッドは Debugger::dump() によるものと似たデータを出力しますが、 出力バッファにではなく、 debug.log に出力します。 log() が正常に動作するためには、 あなたの tmp ディレクトリー(と、その中)はウェブサーバーにより 書き込み可能でなければならないことに気をつけてください。

スタックトレースの生成

static Cake\Error\Debugger::trace($options)

現在のスタックトレースを返します。トレースの各行には、呼び出しているメソッド、 どこから呼ばれたかというファイルと行番号が含まれています。

// PostsController::index() の中で
pr(Debugger::trace());

// 出力
PostsController::index() - APP/Controller/DownloadsController.php, line 48
Dispatcher::_invoke() - CORE/src/Routing/Dispatcher.php, line 265
Dispatcher::dispatch() - CORE/src/Routing/Dispatcher.php, line 237
[main] - APP/webroot/index.php, line 84

上記では、コントローラーのアクション内で Debugger::trace() を呼ぶことで、 スタックトレースを生成しています。 スタックトレースは下から上へと読み、現在走っている関数(スタックフレーム)の順になっています。

ファイルから抜粋を取得

static Cake\Error\Debugger::excerpt($file, $line, $context)

$path(絶対パス)にあるファイルからの抜粋を取得します。$line 行目をハイライトし、 $line 行目の前後 $context 行もあわせて取得します。

pr(Debugger::excerpt(ROOT . DS . LIBS . 'debugger.php', 321, 2));

// 下記のように出力されます
Array
(
    [0] => <code><span style="color: #000000"> * @access public</span></code>
    [1] => <code><span style="color: #000000"> */</span></code>
    [2] => <code><span style="color: #000000">    function excerpt($file, $line, $context = 2) {</span></code>

    [3] => <span class="code-highlight"><code><span style="color: #000000">        $data = $lines = array();</span></code></span>
    [4] => <code><span style="color: #000000">        $data = @explode("\n", file_get_contents($file));</span></code>
)

このメソッドは内部的に使われているものですが、あなたが独自のエラーメッセージを生成する場合や 独自の状況でログ出力する場合にも使いやすいものです。

static Cake\Error\Debugger::getType($var)

変数の型を取得します。オブジェクトならクラス名を返します。

ログ出力によるデバッグ

アプリケーションをデバッグするもう一つの良い方法はログメッセージです。 Cake\Log\Log を使うことで、あなたのアプリケーションでログ出力を させることができます。 LogTrait を利用するすべてのオブジェクトは、 インスタンスメソッド log() を持っており、ログメッセージを出力するのに使えます。

$this->log('通ったよ', 'debug');

上記では 通ったよ がデバッグログに出力されます。 ログに出力することで、リダイレクトや複雑なループを含むメソッドをデバッグしやすくなるでしょう。 また、Cake\Log\Log::write() を使うことで、ログメッセージを書きだすことも可能です。 このメソッドは Log がロードされているなら static にあなたのアプリケーション内の どこからでも呼び出すことができるのです。

// ログを使用したいファイルの一番最初で
use Cake\Log\Log;

// Log がインポートされている場所で
Log::debug('通ったよ');

Debug Kit

DebugKit は便利なデバッグツールをたくさん提供してくれるプラグインです。 まずは、レンダリングされた HTML 内にツールバーを表示して、あなたのアプリケーションや 現在のリクエストについての情報を大量に提供してくれます。 DebugKit のインストールと使用方法については Debug Kit の章を見てください。